HOME >> 協会からのお知らせ >> 第26回 静岡県建設業協会賞
土木部門審査委員長 前田 克己(静岡県交通基盤部理事)
第26回(社)静岡県建設業協会賞(土木部門)には16点の応募がありました。
審査は2段階方式で行い、第1回審査では書類審査により優秀なものを6点選定し、第2回審査では現場担当技術者から工事概要や現場の進め方等の説明を受けた後、採点方式による評価を行い、最優秀賞1点、優秀賞2点、優良賞3点を選定いたしました。
審査にあたっては、与えられた現場条件、自然条件、周辺環境条件等を的確に判断し、施工、安全管理、地域対応、コスト縮減などの観点からの課題を整理し、工事を円滑に進めるうえでの技術的な工夫や地域住民との調整・協調等について評価しました。
最優秀賞の鈴与建設(株)による「平成19年度 富士海岸蒲原小金副消波堤工事」は、海上作業の軽減を図るための工夫や波浪対策を実施するなど施工方法、品質向上、安全管理への工夫が随所にみられ、監理技術者の熱意と努力が特に高く評価されました。
優秀賞の須山建設(株)による「平成19年度 遠州鉄道鉄道線 鉄道高架工事(馬込川仮橋梁)」は、仮桟橋に使用する鋼材が調達困難な状況の中、スパンを短くするなど設計変更を行い調達可能な鋼材サイズに変更するなどの工夫や安全管理の配慮が高く評価されました。
同じく優秀賞の中村建設(株)による「平成19年度 1号安新道路建設工事」は、交通規制の限られた中での施工を綿密な夜間工程により安全施工に努めるとともに、7径間連続鋼箱桁のグレーチング床版工事のクラック防止のためコンクリート打設順位に配慮するなどの品質管理が高く評価されました。
優良賞の3点ですが、青木建設(株)による「平成20年度 熱海港海岸 海岸環境整備事業渚遊歩道工事(施設整備工)」は、熱海の新しい観光スポットである親水海岸の景観やデザインを配慮した施工とともに、輻輳した現場での業者間の協議会による工程管理が評価されました。
山本建設(株)による「平成19年度 伊豆縦貫萩道路建設工事」は、線形の設計変更によるコスト縮減と工期短縮、法面保護に植生工を選定したコスト縮減への提案などが評価されました。
(株)橋本組による「大井川用水(二期)農業水利事業 菊川幹線水路整備その1工事」は、通水しながらの限られた工期での工程管理と様々な補修工法を組み合わせた安全管理が評価されました。
今回受賞された工事担当者のご努力に敬意を表するとともに、今後ともその優れた技術力を発揮され、益々ご活躍されますようお祈り申し上げます。
建築部門審査委員長 山崎 善利((社)静岡県建築士事務所協会相談役)
第26回(社)静岡県建設業協会賞・建築部門には、前年より多く12作品の応募がありました。
審査は、応募書類を基に、地区建設業協会推薦の一次審査委員による書類審査を行い、引き続き、国、県、関係団体、県建協で構成する審査員6名による審査会を開き、意見交換を行い、一次審査の結果と併せて、7作品を選出しました。
審査にあたっては、審査基準の5項目に基づき、審査委員全員が2月2日、3日の2日間に亘る現地審査を行い、工事担当者から説明を受け、質疑応答をして、3月18日に県建協会議室において最終審査委員会を開き、最優秀賞1作品、優秀賞2作品、優良賞3作品、特別賞1作品を決定いたしました。
今回(第26回)の応募では、県が進めている東海地震対策としての耐震補強改修工事が5点、並びに特養施設・幼稚園・保育園・学校等の施設と、完成度の高い作品が集まったと思います。
今後この賞は、国・県・業界(設計、建設)など、多くに影響を与えるような位置づけが必要と思いますので、30回の節目に向けて、多くの関係者に呼びかけ、又会員の皆様の更なる応募を期待しています。
最優秀賞の(株)杉浦組による「平成19年度 浜松市立光が丘中学校体育館改築工事(建築工事)」は、全国で2例目となる木材丸太による、スケルトンログ工法で地場の丸太を構造材に使用し、私共が考えられるいわゆるトラス工構造とは異なり、大変ユニークな架構であります。
天竜材の伐採に始まり、丸太径や長さ、乾燥等長期養生管理の努力、非常に精度の高い段取り等、管理の苦労が工事担当者の話からうかがえました。
又、仮組み立てによる木材とボルトや金物での接合や、平行に組み合わせた材の変位等の計測に細心の注意のあとがみえます。ボルトの締め付け、ジャッキの調整の繰り返しが施工管理のポイントと思われますが、見事な工程・品質の管理が感じとれる作品として、特に高く評価いたします。
優秀賞の渡辺建設(株)による「学校法人聖心女子学院 不二聖心女子学院本館耐震改修・聖堂改修工事」は、この建物は、外部・内装共に耐震補強・改修工事が施工されたのか目を疑うような建設当時と変わらない立派な出来栄えです。
敷地形状上、工事車輌は狭い山道を登り、学生の通学路と同じ道しかなく、安全対策には細心の配慮が施工計画に感じられました。
また学校当局、設計者、施工者が、いかに学院の核である聖堂の改修を大切に思い後生に残し歴史を引き継ぐことの重要性を理解され、工事施工されたかを感じ取る出来栄えであります。
優秀賞の大河原建設(株)による「社会福祉法人大心会 特別養護老人ホーム「ほたるの丘」新築工事」は、特別養護老人ホームとしては、大規模の部類の建物で、丘の上に建っています。その為、取付道路の新設を含む外構・造成工事が建築工事より先行して施工されており、地元住民に対しての交通安全・粉じん対策等が施工計画の前段として、大変な苦労の上、充分な対策がなされたと感じました。
外部は、ひさし・壁が打放し吹き抜けがほとんどで、コンクリート打設の精度が高く要求される建物ですが、良く管理施工されています。
優良賞の平井工業(株)による「三島市立南小学校東側校舎耐震改修工事」は、夏の学校休みを最大限に利用し、この40日あまりの中でいかに耐震補強改修の施工をするかを課題として、施工計画を作り、工期短縮を達成したことは、今後この様な狭い敷地にレッカー1台で南・北面の改修工事が出来るケースとして参考となる作品です。
優良賞の川島建設(資)による「社会福祉法人わかくさ会 わかくさ保育園本館改築工事」は、平面バルコニー・屋根面を含め、曲線部分が多く、特に屋根の複雑な形状においては、金属葺きとはいえ、頂部・平部・谷部等すべての曲面の納まりが、良く施工されています。
工事は、現地建て替えで、隣接する仮設園舎の園児に対する安全対策に、仮設の仮囲・角部・隙間等に工夫が見られました。
外部手すりや壁のウッドデッキが親しみある環境を作り出している作品です。
優良賞の須山建設(株)による「平和幼稚園移転新築工事」は、公共事業に伴う全面移転による、工期の大変厳しい工事でした。2階建ての大規模幼稚園(3,845㎡)であり、大きなアリーナを併設した上、6ヶ月余りの工期での完成は、考えられる工程施工計画を駆使し、3工区に分けたジャスト・イン・タイムを採用し、工程管理をした現場代理人の力量が充分発揮されている作品として、工夫・苦労を評価します。
特別賞の(株)上條工務店による「清水飯田小学校体育館大規模改造・耐震補強工事」は、現場周辺道路環境の悪い中、大型重機(屋根シルバークール撤去に必要な200tレッカー車)の搬入が、この工事の工期を決定づける大きな要素であった為、パーツ(13台分)の搬入・組立てを行いました。また、他の車軸の搬入に必要な柱・樹木等の障害物の撤去も重要な施工計画の一つでありました。
屋根の軽量化による耐震化が工事のポイントであるので、200tレッカーの導入により屋根材の入れ替え工事が無事完成に繋がった作品です。外周仕上げも非常に良くまとまっています。
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鈴与建設(株)(清水協会) 平成19年度 富士海岸蒲原小金副消波堤工事 |
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須山建設(株)(浜松協会) 平成19年度 遠州鉄道鉄道線 鉄道高架工事(馬込川仮橋梁) |
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中村建設(株)(浜松協会) 平成19年度 1号安新道路建設工事 |
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青木建設(株)(三島協会) 平成20 年度 熱海港海岸 海岸環境整備事業渚遊歩道工事(施設整備工) |
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山本建設(株)(三島協会) 平成19年度 伊豆縦貫萩道路建設工事 |
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(株)橋本組(島田協会) 大井川用水(二期)農業水利事業 菊川幹線水路整備その1工事 |
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(株)杉浦組(浜松協会) 平成19年度 浜松市立光が丘中学校体育館改築工事(建築工事) |
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渡辺建設(株)(沼津協会) 学校法人聖心女子学院 不二聖心女子学院本館耐震改修・聖堂改修工事 |
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大河原建設(株)(島田協会) 社会福祉法人大心会 特別養護老人ホーム「ほたるの丘」新築工事 |
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平井工業(株)(静岡協会) 三島市立南小学校東側校舎耐震改修工事 |
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川島建設(資)(浜松協会) 社会福祉法人わかくさ会 わかくさ保育園本館改築工事 |
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須山建設(株)(浜松協会) 平和幼稚園移転新築工事 |
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(株)上條工務店(清水協会) 清水飯田小学校体育館大規模改造・耐震補強工事 |
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