県は1億円以上を目安にした大規模工事を対象として、本年度下期から電子入札を開始します。また、静岡県電子入札共同利用者協議会に加盟している市町村の一部でも17年度から運用を始める予定です。電子入札に係る静岡県のシステムの特徴は、国(JACIC)のコアシステムの採用と市町村とのシステムの共同利用(共同アウトソーシング)です。このため、入札参加者は発注機関(国、県、市町村など)にかかわらず同一の操作で対応できることになり、メリットは大きいものと考えています。また、システムの管理・運用を共同アウトソーシングすることにより、行政側にとっても運営コストの削減と行政事務の効率化が図られる効果があります。
入札参加者が電子入札によって応札するための準備として、(1) インターネットに接続できるパソコン (2) 電子入札用ICカード (3) ICカードリーダーを事前に準備した上で、県のシステムでICカード登録を行う必要があります(図C)。
運用基準を要約すると、≪電子入札実施の考え方≫−県が電子入札で行うと指定した案件については、電子入札システムで処理するものとし、原則として紙媒体での参加申請書や入札書の提出は認めません。≪ICカードの基準≫−電子入札を利用できるICカードは、静岡県の建設工事または業務委託等の入札参加資格申請をした代表者、またはその受任者のICカードに限ります。≪利用者登録≫−初めて電子入札システムを利用する場合や、新しくICカードを取得した場合は、利用者登録を行う必要があります。≪紙入札の扱い≫−原則として紙入札は認めません。やむをえない理由としては、(1) WTO対象案件 (2) 会社名の変更により、ICカードの再取得が間に合わない場合 (3) ICカードの閉塞等により再発行手続き中の場合 (4) その他−等です。電子入札導入一定後は、紙入札の承認について厳格に扱う方針です。
電子入札の拡大計画を見ると、工事の電子入札の場合、16年度下期からは1億円以上の工事を対象とし、17年度以降順次対象を拡大して19年度からはすべての工事を対象とする予定です(図D)。一方、委託業務の電子入札の場合は、16年度下期からは2000万円以上の委託業務を対象とし、17年度以降順次対象を拡大して19年度からはすべての委託業務を対象とする予定です(図E)。
また、県と市町村との共同アウトソーシングを円滑に進めるため8月5日、静岡県電子入札共同利用者協議会が設立されました。この協議会では、電子入札システムを管理運営する事業者の選定や運営費用、各自治体の費用負担などを協議します。入札参加資格申請をオンライン化する「入札参加資格申請システム」の導入も検討していきます。 |