道路と線路の両方を走れるDMVは、きめ細やかなサービスができる小型バスの利便性と鉄道の定時制を合わせ持ち、バスと電車の乗り換え手間が不要になるメリットがある。富士市ではDMVを岳南鉄道に乗り入れさせるほか、新幹線のJR新富士駅間と在来線のJR富士駅をつなぐ手段としても導入。富士駅から既設の工場の引き込み線を利用し、新富士駅までの残りの区間は専用道路を新設する案が出されている。
DMVはマイクロバスを改造して作るが費用は一車両当たり約1,500万円と量産も可能な金額。既設の鉄道レールを有効活用するため、低コストで市内をくまなく結ぶ一大交通網を作ることが可能になる。富士市では新たな都市交通整備の切り札として大いに期待。「法令関係の位置づけ(DMVはバスか電車か)の課題は残っているが、JR北海道の導入状況を視野にいれながら、鉄道車両との混在運転の可能性や技術面、事業主体について具体的に検討を進めていく」としている。
DMV(デュアルモードビーグル)は道路と線路の両方を走ることができる車両。車両はマイクロバスを改造したもので車体の下から鉄の車輪を出し入れして、鉄道と線路を自由に行き来できるしくみになっている。道路から線路への乗り入れに要する時間は10〜15秒。JR北海道では昨年から試験運転を開始し平成19年の実用化を目指している。JR北海道に続いて富士市で導入されれば本州で初となる可能性も高い。
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