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時評  
 今年の4月1日以降、段階的に定年が最高65歳まで引き上げられることになっ
た。
 これは年金支給開始年齢の引き上げにあわせての法改正である。
 確かに人生50年の時代と比べると今や男性の平均寿命が78歳という時代とは
大きく異なる。94歳になる高名なあるお医者さんの話によれば、今は大体自分
の年に0.7を掛けた年齢が昔の年齢と思えばよいとの事。
 私は現在58歳、0.7を掛けるとまだ41歳?それでは後20年働いてやっと定年
(60歳)ということになる。まだまだ大丈夫と一瞬思うが、その時はお迎えが
くる歳である。
女性の五輪
 「働く意欲と能力がある人が年齢にかかわらず働ける」という理想のもと改
正されたが、はたしてこんな画一的なものでいいのか。いづれ経済が復調すれ
ば、今後だんだん労働人口が減少するなかで高齢者雇用の必要性が高まるはず
であり、今無理に急いで実施する必要があるのか。「継続雇用」という法制化
により労働者の「働く意欲」が生活費のためだけに働くということであれば
「つなぎ年金の支給」とか、いろいろな方法が多くの企業労使間で検討・実施
されてきている。なかには働かなくてすませたい人もいる。その方法までも否
定していいのだろうか。又、現在の雇用情勢で若者の就業が厳しい中で定年ま
で雇用される高齢者だけを優遇することが正しいのか。今回の法改正で多くの
企業はいったん退職させての再雇用制度の導入を選択するであろう。希望すれ
ば希望する企業に就職できる権利を与える事により、希望しても就職できない
他の多くの失業者に対し平等とは言えないのではないか。
 これにより企業は当然新入社員の採用は控える事になり、組織の活力が失わ
れていく。
 今の企業を見れば経営不振の中で合理化、スリム化に労使双方で懸命に取り
組んでいる所も多数あり、法制化されることで、経営改善に大きく影響がでて
くることが危惧されてならない。
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