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激流の当たる川中に、水流に逆らって踏ん張っているように、木製の三角錐の水制が「牛枠」である、棟木の形が牛に似ていることから「牛枠」または、「牛んべい」と呼ばれ、その効用とはうらはらに哀愁さえ感じる呼び名であった、このことからもいかに人々の生活と結びついていたかが伺い知れます。名前の由来は、構造的に複雑で頑丈に補強されたものを大聖牛と呼んでいます。

牛枠(水制)設置する位置を間違えると、対岸の堤防を破壊してしまうことがあります、水が生き物である所以です。その辺の据え方が職人の「カン」で、川を暴れさせないで静める「水制」の真髄はここにある。また、川の蛇行を無理に効率よく、真っすぐにすると言うことではなく、あくまでおだやかに自然と強調しながら、あそこがあぶない、ここがあぶないと、それを解ってやる工法だと言うところにものすごく魅力を感じる。あくまで自然に逆らわず、自然と助け合いながら治水(水制)して行くやり方は、本当に川を生かすやり方でこれからは大変重要な位置を占めてくる。

伝統的な工法として、呼称で俗に「川倉」と呼ばれている「木工沈床」、「牛枠」これらは今日の河川工法の基礎をなすものである。

「大聖牛」は、増水により堤防が決壊し、濁流の中でも施工が可能であり、川船を使って水中に素材丸太を建て込んで組み上げる「建て方衆」は花形でもあった。

昔から、素材は木を使っていたが、それを鉄骨とかコンクリートでやってはダメである。また、陸で組んでも、川の中でうまく座らない。

実際にこの大井川水制伝統工法「牛枠」を建てることができる方がいなくなってきている。この伝統工法を如何に伝承していくか、大きな問題であるが、今大井川にこの伝統的河川工法をよみがえらせ、その技術の伝承を伝え学ばんとして制作に情熱を燃やして取り組んでいる、県土木の職員と、施工集団が技術の習得に努めています。

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