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「目指すは大型農園開設」

代表取締役　松下進一さん（（株）松下組）

　静岡県内の建設業者としては、他に先駆けて農業へ参入し注目を集めてから４年。
　新規事業立上げの構想段階から舵を執り、進出に伴った農業専門のグループ会社・佐野舎＜さのや＞を設立した。

　農業分野に進出して、これまで３作目を終え「当初は異業種からの進出ということもあり、農業関連界隈から牽制された部分もなくはなかった。しかし、農業関係のセミナーや団体へ参加するなどの経験を経て、今は本当の意味で農業の世界に溶け込みつつある」と自信も覗かせる。
　きっかけは、「建設業開の厳しい現状のなか、社内で新規事業参入に向けた検討委員会を開いた」ことで、農業への進出に賛同する社員の声が一番多かったこと。
　「遊休農地を有効に使う手立てとしては、妥当な選択」だったこともあるが「栽培する側に立って、片手間でできるほど甘い世界ではない」ことを思い知る。

水ナス

夏野菜の代表でもあるナス。水ナスはナスの中でも名前の通り水分が豊富で、生でも食べられる。この夏の収穫が待ち遠しい。

　それでも、地元栽培品種と競合しない「食用ほおずき」や「山の芋」などの栽培により、主力品の目途が立つまでになった。また、福祉施設の生徒さんとの交流や障害者の働き場の提供などの取組みも行っている。

食用ほおずき

　ほおずきといえば、見て楽しんだり、音を鳴らしたりが普通だが、これは食用。黄色く色づいて、まるでお菓子のような可憐な実。

　現在は、農耕作地も近隣にまとまりつつあり、地元の農業者の方々とも友好的な関係を築きつつある。そういったなか、将来的には海外の市民農園をモデルケースとした「宿泊施設を完備し、遠方からの誘客も視野に入れた大型農園の開設」を思い描くなど、今後への想いは尽きない。

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