ちょっと紹介特別編

『炭焼き窯で子どもたちにエコ教育』

臼幸産業株式会社  田代雅也(沼津協会)


沼津建設業協会小山支部が母体となったNPO法人愛ネットおやまは、小山町の地域環境の改善保持、地域の安全及び子供たちの健全育成に関する調査、提案、事業を行い、安全で活力ある小山町のまちづくりに寄与することを目的として、平成18年に発足しました。
このたび、法人事業の中の地域環境教育として、エコ・リサイクル体験型施設“炭焼き窯・石窯”を会員のみなさんでお仕事の合間をみながら約半年をかけ自主製作しました。普段の生活の中で、あまり目にすることも触れることもない、炭焼きについて、今回は“ちょっと紹介”させていただきます。
炭窯・石窯製作中
炭窯・石窯製作中
炭窯・石窯完成
完成
炭は窯の中で木材を蒸し焼きにして炭化させることによりできます。炭窯の大きさによってもちろん違いはありますが、私たちの窯では長さ60~80㎝、太さ5~15㎝程度の炭の素となる木を、600本程丸太から切って作ります。炭の素となる木はクヌギやナラといった雑木が主ですが、密度の高い木からは堅く重い炭が出来上がります。又基本的に炭素でできているものであれば炭にすることは可能ですから、花や野菜等でも作ることが出来ます。炭の素となる木が準備できましたら、その木を窯の中に隙間がなるべく出来ないよう詰め込んでいきます。これは、窯内部の火の量が多いと木が燃えてしまう為、空気の量を出来る限り減らすことにより火の量を抑制し、熱だけを窯の中にこもらせるためです。詰め込み作業が終わりましたら、入り口部分から火入れを行い窯の温度が高くなるまで燃やし続けます。入口部分とは反対側に取り付けた煙突から継続的な白い煙が出てきた段階で窯の入り口部分に石や土で蓋をしますが、その時15㎝角程度の小窓を開けておきます。開けておいた小窓から火の状態を見ながら3-4日間火を燃やし続け窯の温度を維持します。
火入れ作業中
火入れ作業中
炭完成
炭完成
窯の内部で炭化がはじまると、先ほどの白い煙が薄い青色に変わり、それから半日程をかけ炭化が終わると透明に変わります。ちなみにこの時点で窯内部の温度は700度~800度という高温になっています。
窯の温度が下がるまで1週間程待ちいよいよ炭の取り出しとなりますが、当日は先に炭の素となる木を製作し、準備が出来てから炭の取り出しとなります。これは、炭を出した後の窯を空のままにしておくと窯が崩れてしまうので、炭を出したら新しい木を窯に入れるためです。要するに取り出すのと、詰め込むのがひとつの作業となりますので、素の木を事前に用意していないと作業時間はほぼ一日となります。
実際の作業はもう少し細かい部分があるのですが、文字数の都合もあるので今回は大まかな炭作りの工程を説明させていただきました。
NPOメンバー
NPOメンバー
地元の子供たちと炭焼き体験学習 地元の子供たちと炭焼き体験学習
地元の子供たちと炭焼き体験学習
最後に
平成20年の5月に地域の子供たちを中心とした炭焼き・石窯料理体験を実施しました。
親を含め20名程参加して頂きましたが、炭焼きや石窯料理体験をする中で、子供たちには普段とは違った自然に対する意識や感覚を少しは養ってもらう事が出来たのではないかと思っております。
今後は、多くの子供たちがこの施設を通じて自然に触れ合い、体験することにより、エコ・リサイクルについての興味や認識を高め、地域環境について関心を持つ人材に育ってもらえればと思っております。