大井川の中流域、島田市の北端、川根温泉「チャリムの湯」SLの見える丘近くの身成に、茶畑に囲まれて大井川を背に、銘菓、加藤菓子店があります。
車で、国1向谷インターから、大井川に沿って川根本町方面へ北上すること20分、トンネルを2つ抜けて、小さな峠を下り、信号を右折して200メートルほど走ると、「大福 菓子道」の看板が左手に、目に飛び込んでくる。数台が置ける駐車場に車を止めて中に入ると、看板娘?ならぬ熟練店員に快い笑顔で迎えられます。
ヨーロピアン風の瀟洒な建物で、表に川根大福の幟旗がなければ、お花屋さん?と思われそうですが、奥様の趣味で足の踏み場もないくらいに花一面の店舗です。
創業者である店主の
加藤 道郎氏
毎朝、早朝より一人厨房にて川根大福の仕込みに入ります。その工程、仕込みは・・・、秘密中の秘密・・・。
生クリームの挿入方法が難しく内緒です。
61歳の青年です。父親が駄菓子の卸商をやっていたためか知る由もありませんが、洋菓子作りの修行が明けるや、自宅の裏に厨房を作って菓子作りに正を出して22年、ショートケーキをはじめ、洋菓子作り一筋に精進の傍ら、思考錯誤の結果、生クリームを練りあんで覆い、大福餅の衣を着せた和洋折衷のような大福を生み出しました。
生クリームを使用しているため日持ちがしない、作るのに手間がかかる、大量生産が出来ない・・・。駄々っ子のような大福を手にすると、耳たぶのような、幼子のほっぺのような感覚にびっくりしながら口の入れてみると、とろける生クリームとその触感を助ける大福の衣、不思議な触感を感じている間もなく、ねりあんがふんわりと、上品な甘みを演出してくれる。そして忘れられない味を覚えさせてくれる大福です。当初は生クリームのみでしたが、現在は本場の川根茶を配した、緑茶風味も仲間入りしました。
ご主人に聞きました
・・誕生日と菓子道、菓子職人には、
そして趣味、健康方について・・・
昭和24年誕生、もちろん家山で産声を上げ、小中、高校を卒業後、4年間菓子職人の修業を積んだ後、家山の実家に店舗、加工場を付加して、加藤菓子店を開店します。
後に、川根大福を発売し、人気が出るにつれて、お客様の利用しやすい、店舗を今の身成に開店しました。
菓子道について、日頃から思っていることは、どんな食材でも、思考錯誤して、作り方次第で、別物のように生まれ変わり、おいしいお菓子が出来るー“材料を選ばず”。
趣味と健康方は、一杯の晩酌と、近くにチャリムの湯の温泉プールに毎日通って泳いでいます、根を詰めてひとつ姿勢で菓子作りに没頭すると、体型も悪くなったり、運動不足になりがちですが、今は温泉プールのおかげで、体はもとより、家庭もすこぶる円満であり、それがおいしい川根大福の独特の味の源になっています。
今思うことは、子供たちも大きくなり、跡継ぎも出来たし、ただひたすらに「美味しい物」を作り、お客様に提供することです。
川根大福をご所望の際は、予約が確かですが、なるべく早い時間にお店へお出かけ下さい。