今は、現場仕事は息子(三代目)に任せ、 70歳くらいからパソコンを使い経理処理を担当している。 |
お父さんの作品 |
干支を板金加工で |
父親が、建築板金業を営んでいた。長男であったので自然と後を継いだ。卒業後、父親の下で働いた。当時は5人ほど職人がいた。父親の下で7年働いたが、当時の職人は、ルーズであったし、考え方が偏っていた。
上下関係に嫌気がさして、父親が元気なうちは、外で働こうと思い、親戚があって地域の様子が分かる静岡市内に勤めた。自動車関係の仕事で、プレス機の型を造る、試作品は手作り、戦後の復興期で、毎日とても忙しかった。
退職する前の2年間は、御殿場から戸塚まで通った。通勤には、2時間半を要し、朝は6時に出勤、帰宅は7時半すぎであった。この職場では、労働組合に関わり、賃上げ等の要求も行った。組合の副委員長院長も務めたが、建築板金工で、団体交渉を経験したことのあるのは、自分くらいで珍しいのではと思う。
一般家庭の仕事は、免許がなくてもできるが、資格を持っていないと請負仕事ができない。御殿場市神山の御殿場小山の職業訓練校で2級の免許が取得でき、5人程度の生徒を指導したこともある。一人前になるには、訓練後5年ほどかかるので、多くの生徒は跡継ぎ。
課題作品 | 友人の作品(蝉) |
神社、仏閣が主で、完成したときの達成感は、何とも言えないものがある。
井上博幸氏の仕事1 | 井上博幸氏の仕事2 |
職人には、概して甘えがある、上になると天狗になってしまう。最近では一人親方が多い。職人も給料取りと同じであり、経営者でもあるので、現場仕事だけではない。セールスも必要であるし、完成させるためには努力は必要。自分の仕事が好きかどうかに尽きる。
道楽好きは、仕事の影響が出ることもあるので、ほどほどに。
沼津職業訓練校学校祭にて |
1 | まずは、経理をしっかりすること |
借り入れをしたら、必ず完済すること(計画的に仕事をすること)。 | |
2 | 信用が大切 |
資金繰りをしっかりと、自分は32歳から現在、50年間問題なく過ごしている。 | |
3 | 支払は、きっちりと |
材料屋への支払はきっちりと、自分はこれまで支払いを滞ったことはない。職人の性格にもよるが、支払いは、仕事が完了してからという人がある。支払いは正確に、誠実な金銭の付き合いが必要である。 |
中学3年生の時、高校ではこれまでのように勉強はしたくなかったので普通科には進学したくなかったし、お母さんに勧められて、科学技術高校を選んだ。
高校で何かしようという目標があって選んだわけではなかった。
今年で3年目、技術面での難しさを肌で感じている。
完成図を目指し機械操作して施行するが難しい。
小型車両系建設機械は高校の授業で、また、夏休みに小型移動式クレーンの免許を取得した。入社後、6か月間は藤枝市の建設学院に毎日車で通ったが、毎日がとても楽しかった。
生徒は5人。女子は自分だけだったが、全然気にならなかった。現在もたまにその時の仲間に会うが、職種が異なるのでなかなか集まりにくい。
国道1号丸子トンネルからダンプが運んで出来る残土の受け取りを行っている。
冬は河川工事が多い。
現場写真 |
今は慣れました。先輩は気になると言っていますが、私はトイレとか気になりませんでした。
高校の先輩がいるんですが、重機を使った仕事より体を使う土方の方が好きで家でもダンベルなど体を鍛えているそうだが、仕事は見習いたいと思う。
休日は有効活用しています。とにかく車で家を出て、それからどこに行こうか考える。
後輩は土木系の仕事に就く目標をもって入学してきている。
科学技術高校は、設備も整っているし、しっかり勉強すれば監督にもなれる。自分ももっと勉強すればよかったと今は後悔している。
建設業も入職して間もなくやめてしまう人がいる。女子であっても女だからできないとは考えず、とにかく取り組んでみること、投げ出さずにできるまでやってみようと思うことが大切。
しかし、仕事が合わなければ、無理せずに早く合う仕事を見つけた方がいいと思う。
今の自分は、後輩に勧められるほどの技術力がないし、そんな立場ではない。
周りに、技術面の指導をしてくれる人がいる。日々完全燃焼している。
技術力不足で悩むことがたまにある。こういう時は先輩に電話して教えてもらう。
仕事の話は、家族に理解してもらえない。悩んでいる過程を説明するのも面倒なので、こういう時は一人でお酒を飲んで、次の日まで引きずらない。朝は新鮮な気持ちで出勤するように心がけている。
瀧社長と大石さん |
人材不足が問題となっている土木・建設業界において、大石君の様な女性がこれからは活躍していくと思います。もっと腕を磨いて、大石君を目指してこの業界に入ってくる女性や若者が増える事を期待します。