愛知県豊橋市を中心とする三河地域、静岡県浜松市を中心とする遠州地域、長野県飯田市を中心とする南信州地域。これらの地域をつなぐ延長約100kmの自動車専用道路、「三遠南信自動車道」の整備が進んでいます。県境を越え地域間の連携を生む重要路線として、早期の完成が望まれています
計画
三遠南信自動車道は、1987年の第4次全国総合開発計画において策定された、高規格幹線道路の一つです。全国に張り巡らされた1万4000kmの自動車専用道路ネットワークが、主要拠点間の連携を強化し、地方都市と周辺地域とを結びます。
浜松市の新東名高速道・浜松いなさJCTから愛知県を経由し、長野県飯田市の中央自動車道と南北に連絡する計画で、整備が進められています。
事業の現状
2015年4月現在、長野県側の飯喬道路と小川路峠道路、静岡県側の三遠道路が部分供用されています。そのほか、各区間で順次調査や用地買収、工事などが進められています。
佐久間IC~東栄IC間の延長6.9kmに佐久間第1(延長3400m)・佐久間第2(延長2400m)の2つのトンネルを整備する工事は、2018年度に完工する予定です。第1トンネルは両坑口から掘削し、第2トンネルは川合地区側から掘削する準備が進んでいます。両トンネル間の浦川地区で実施する大千瀬川橋・橋長270mの下部工は2015年に完成し、続いて上部工へと移る予定です。
東栄IC~鳳来峡IC間の延長7.1kmでは、橋梁下部・上部工ともに用地買収が進められています。
水窪~佐久間間の延長約14kmは環境影響評価中で、2015年度も調査が行われる予定です。
展望
今後の計画として、佐久間IC~東栄IC間は2018年度の供用開始が見込まれており、周辺地域の発展に寄与するものとして期待が寄せられています。
全線開通までには相当の年月が必要となりますが、三遠南信自動車道により中部地域の南北が結ばれ、新たな交流が経済や文化の活性化に与えるインパクトを思えば、先線についても早期の完成が望まれるところです。