伊豆の最南端の石廊崎にある熊野神社と伊豆七不思議の一つである石室神社(いろうじんじゃ)を紹介します。
石廊崎は伊豆の最南端にあり景色が本当に素晴らしい場所です。そして紹介する二つの神社はこんな所に・・・と驚くような場所にあります。
熊野神社は絶景の場所にある縁結びの神様として有名で、その由来と伝説を紹介します。
石廊崎近くの長津呂の郷に住む「お静」という名主の娘と「幸吉」という漁師が許されぬ恋に落ち、身分の違いで仲を引き裂かれ、「幸吉」は石廊崎突端から約9kmも離れた神子元島に流されました。
お互い忘れることなど出来ない「お静」と「幸吉」は、毎夜それぞれ火を焚き愛を確かめ合っていたといわれます。
ある晩、神子元島の火が見えないことを心配した「お静」は、たまらず小船を出して島へ向かいましたが、折からの大風で波は高く船は進まず、「お静」は一心不乱に神に祈りその甲斐あって神子元島に漂着し、結ばれた二人を親たちも許すこととなり、末永く二人は幸せに暮らしたということです。
「お静」が火を焚いたところに熊野権現の祠が祀られ、以来縁結びの神様として知られるようになりました。
明治初期の神仏分離により熊野神社と称するようになりました。
▲神社へ行く途中の遊歩道から見た港 |
▲石室神社の鳥居 |
▲石廊崎灯台 |
▲石廊崎突端の熊野神社背景と遊覧船が見えます |
▲石廊崎突端にある熊野神社 |
▲右側に縁結びの神様と読めます |
▲沖に石廊崎突端から約9km離れた神子元島 |
石室神社(いろうじんじゃ)は、石廊崎灯台先の熊野神社手前の断崖に位置し、創立大宝元年(701年)と言われています。
(現在の社殿は明治34年建立)
太い帆柱の上の社殿は伊豆七不思議の一つに数えられて、今も昔も漁業関係者を中心に、広く信仰を集めています。
この神社の不思議なお話は、昔播州濱田港から塩を運んでいた千石船が石廊崎の沖で嵐に遭い、その帆柱を石廊権現に奉納すると誓って祈ったところ、無事に江戸に到着することができました。その帰途、帆柱を奉納することをすっかり忘れていると、何故か石廊崎の沖で船が進まなくなり、天候が急変して暴風雨となりました。往路に誓いを立てたことを思い出した船主が千石船の帆柱を斧で切り倒すと、帆柱はひとりでに波に乗り、断崖絶壁(およそ30m)を石廊権現の社殿あたりまで、まるで供えたかのように打ち上げられ、それと同時に暴風雨も静まり、船は無事に播州へ戻ることができたということです。
その伝説を裏付けるかのように、この石室神社は,その石廊権現に献上したとされる長さ約12mの帆柱を土台に築かれており、社殿の床面には一部ガラス部分があり、この帆柱を直接確認することができます。
▲熊野神社とその向こうに見えるのが石室神社です |
▲断崖絶壁に建つ石室神社 社殿 |
▲石室神社 社殿正面 |
▲社殿内部 |
▲社殿床のガラス越しから見た帆柱 |
▲横の土台部分に12mの帆柱が使われています |
石廊崎漁港にある駐車場から遊歩道を10分程歩くと石廊崎最南端にある二つの神社に行けました。この日は曇りがちな天気でしたが観光客も多く訪れていました。
断崖絶壁に建っている石室神社と伊豆半島の最突端にある熊野神社は、周りの綺麗な景色といい何か不思議な神社であり、パワースポットと呼ばれる所以がよくわかります。