ちょっと紹介特別編

「義と情けの武将」 新野左馬助公

(株)西島土木 西島正浩(袋井建設業協会)


静岡県西部が舞台になる2017年のNHK大河ドラマ「女城主 井伊直虎」。柴崎コウが主人公を務める井伊直虎の伯父にあたり、「井伊家の恩人」と呼ばれる人物が御前崎市新野の地頭(三千石)の領主であった。
 その名も、新野左馬助公(にいのさまのすけこう)。新野舟ヶ谷城の城主で今川家の一族。井伊直虎の母親の兄にあたる人物。徳川家に寝返った疑いで今川氏に殺された井伊直親の子供、井伊直政を助け養育したことから、井伊家の恩人と知られている。
 新野左馬助は1564年に謀反を起こした飯尾連龍の引馬城を攻め、天間橋付近で討死。井伊家では命の恩人である新野左馬助の功績を代々語り継ぎ、後に新野左馬助親矩の名跡を相続させ、新野家を再興した。

新野左馬助親矩公の版画「光山房」作
新野左馬助親矩公の版画「光山房」作

このことから御前崎市新野と井伊家は深い縁で結ばれており、新野には新野左馬助公を偲ぶ史跡が残っている。
 今は当時の面影は残っていないが、居城とされた「舟ケ谷の城山」には、山道が整備されている。

「舟ケ谷の城山」
「舟ケ谷の城山」

新野左馬助公が祀られている左馬武神社
新野左馬助公が祀られている左馬武神社

この中には、左馬助公のお墓とされる五輪塔も残っている。地元の有志によってつくられた「新野左馬助公顕彰会」では、毎年4月新茶を献上する「献茶祭」を行い左馬助公の遺徳を偲び、広く後世に伝えている。小山の上にあるその神社から、新野左馬助公は今も新野の人々を見守っている。
 市では「直虎応援プロジェクト事業」として2016年度予算を確保するなどこれら「女城主 井伊直虎」ゆかりの地 御前崎!新野左馬助公の里を観光地として整備する計画だ。
 2017年1月からスタートするドラマの中では、左馬助公を俳優の苅谷俊介さんが熱演する。その演技に注目したい。