「少林寺拳法の魅力」

日軽産業株式会社(静岡市清水区)
建設エンジニアリング部設備環境グループ電気課
平井 富士雄

東棚

「少林寺拳法」とは

 「少林寺拳法」は、1947年に日本で少林寺拳法初代師家(しけ)「宗 道臣(そう どうしん)」(以下開祖)により、社会に役立つ人造りを目的として創始されたものです。

 自分の身体と心を養いながら、他人(ひと)と共に助け合い、幸せに生きることを説く「教え」と、自身の成長を実感し、パートナーとともに上達を楽しむ「技法」、そしてその「教え」と「技法」を遊離させず、相乗的に人間力を養うための「教育システム」が一体となっています。

 人間は、生まれながらにして、どのようにも成長していける可能性を秘めています。少林寺拳法は、その可能性を信じて、自分を高め続けられる人、周囲の人々と協力して物心両面にわたって、豊かな社会を築くために行動できる人を育てています。

 少林寺拳法の原点は、平和で豊かな社会を願って人造りを決意した開祖の志にあります。開祖は、戦時中とその前後の社会を自らの感性と体験を基に洞察。人間教育こそが、平和で物心ともに豊かな社会実現の基本であることを悟りました。

 そして、武道の修練をベースとする独創的な人間教育の体系をなす「少林寺拳法」を創始しました。

 現在は、第二世師家「宗 由貴(そう ゆうき)」総裁のもと、若い人が中心だった少林寺拳法から、誰もが楽しみ、誰もが生き甲斐を感じることができる少林寺拳法へと広がっています。世界では40カ国に広がりを見せています。

金剛禅総本山少林寺 清水袖師道院

 私は「少林寺拳法」指導者活動を、道院をベースに行っています。

 僧階、法階、武階の資格は、少法師、正範士、七段です。金剛禅総本山少林寺の清水袖師道院の道院長がベースになります。

 静岡市清水区西久保の秋葉山峰本院の中にある専有道場が拠点となっています。小学生から60代まで男女隔てなく、楽しく修行に励んでいます。月、水、金の午後7時から8時が小学生、中学生から高齢者の方は午後7時から9時までの修練時間です。

 平日の修練時間以外にも、1月には新春法会(ほうえ)、自然の中での夏季合宿、5月には秋葉山の清掃も行っています。

松下牧場体験7月の夏季合宿
富士風穴
7月の夏季合宿
松下牧場体験
7月の夏季合宿
富士風穴
7月の夏季合宿
新春 法会(ほうえ) 秋葉山清掃活動
新春 法会(ほうえ) 秋葉山清掃活動

 2018年4月現在、門下生30人のうち、10人が小学生です。駐車場があり、国道1号静清バイパスが近く、交通の便も良いので、葵区唐瀬から通っている親子もいます。

 2017年12月には、清水袖師道院25周年記念行事を行い、宗由貴総裁も臨席され、師走の一番忙しい時期に多くの方に祝福されました。

25周年記念 演武発表会(舞台) 25周年記念演武発表会(集合写真)
25周年記念 演武発表会(舞台) 25周年記念演武発表会(集合写真)
25周年記念 少年部・部内のつどい 25周年記念 一般部・懇親会
25周年記念 少年部・部内のつどい(右が宗由貴総裁) 25周年記念 一般部・懇親会

 また、静岡県内の道院が集まる静岡県教区では、布教委員長を務めています。

 両輪である組織の静岡県少林寺拳法連盟では理事をしていて、静岡県体育協会の評議員、静岡市少林寺拳法協会の副理事長も務めています。

 その他、全国の都道府県で指導する禅林学園少林寺拳法武道専門コースの教員として、北海道から鹿児島まで指導に出張しています。

静岡県教区での布教委員長活動 静岡県教区での布教委員長活動
静岡県教区での布教委員長活動
禅林学園少林寺拳法武道専門コースでの講義 禅林学園少林寺拳法武道専門コースでの実技
禅林学園少林寺拳法武道専門コースでの講義
2016年4月 山形県
禅林学園少林寺拳法武道専門コースでの実技
2016年4月 山形県

拳法歴44年
昇級考試、昇段考試などの目標は太陽で、努力は水や肥料

 私の拳法歴は44年。高校に入学した5月から始めました。当時はブルース・リーの映画「燃えよドラゴン」が大ヒットしていて、単純に「強くなりたい」との考えから、門を叩きました。その頃は入門者が多く、今では同時期に入門した世代が、日本中で指導者になっています。

 入門してから分かったのですが、強くなりたいということは、自分の弱さを認識しているということです。この認識が人を成長させる根っこになっていると思います。昇級考試、昇段考試などの目標は太陽で、努力は水や肥料だと思います。

少林寺拳法の魅力

 少林寺拳法の魅力は、温かく信頼で結ばれた人間関係です。

 現代社会は、人間関係が希薄になっていると言われています。そのような中で、道院の修行は様々な年齢の人が和気あいあいと、真剣にお互いを向上させています。

 他の武道では、向かい合う相手は倒すべき敵ですが、少林寺拳法では、互いに向上させ合うパートナーです。攻者は相手を倒すことを目的とせず、守者が上達するように教えるシステムをとっています。相手に勝つのではなく、過去の自分や、自分の弱さに克つのです。

 年齢層が幅広いことも、大きな魅力です。自分が電気工事士として就職したころは、職人気質の方が多くいました。今で言うイジメやパワーハラスメントが、ともすれば横行していました。

 しかし、道院を通じ、社会人には、とてもいい人が沢山いることを知っていました。道院では、いろいろな話を聞くことができ、技はお互いのスキンシップにもなっています。

 少林寺拳法は、道院から静岡市、静岡県、東海地方、全国、世界へと広がり、どの集まりでも和気あいあいとしています。ですから、全国行事や世界大会はとても楽しみになっています。