「飛行機に魅せられて」

株式会梶山組
工事部 梶山 智

✈ 富士山静岡空港開港

 私がカメラを持つようになったのは、フィルム写真からデジタル写真にカメラの形態が変わってきた頃でしょうか。その頃は、撮影する被写体も色々で、クラシックな建物から植物など、その時にひらめいたものが多く、まだ自分の中では趣味と言えるだけの領域ではかったように思います。そして、2009年6月4日、富士山静岡空港が完成し旅客機が就航された時は、車で行ける距離だったので、珍しさから撮ってみようか、という程度のものでした。

 静岡県から遠方へ行くには、当然新幹線を考えます。飛行機には馴染みが無く、乗って旅行に行くなど、考えたこともありませんでした。しかし、実際に初めて目にした飛行機は「すごい」「カッコイイ」の一言で、その場で撮っていました。

大井川花火大会
2018.8.10 大井川花火大会と富士山静岡空港

✈ 趣味と言える写真

 私の住んでいる所は、川根本町です。空港まで車で1時間20分、頭の中で撮影のシュミレーションを練りながら走るには丁度良い時間です。飛行機に魅せられた私にとって、冬の冠雪した富士山は、飛行機を引き立たせ、最高の構図になると考えていました。そして、富士山静岡空港は、最高のロケーションとなり、静岡県民ならだれでも一緒に撮りたくなると思います。寒さの厳しい日は、富士山もクッキリ、最高の撮影条件となり、頭の中の構図通りに撮影できそうに思えてきて、寒さも我慢できます。しかし、牧之原の大地に吹く風は、写真撮影には非常に邪魔物だということがわかりました。

✈ 撮影のこだわり

 飛行機の写真も、撮影箇所などにより多種多様です。私は青空に飛ぶ構図が好きですが、撮っていて、変化が無く、物足りなさを感じてきたので、季節のいろと一緒の情景で撮るように なりました。雲とのコントラスト、機体に描かれた色鮮やかな模様、それは、私の好きな写真 家、ルーク・オザワ氏が風景と飛行機をシンクロさせ、情景的な飛行機写真を確立したように 、私も挑戦したくなりました。

富士山静岡空港
4月 富士山静岡空港、滑走路進入灯橋付近
富士山静岡空港
夕方、富士山静岡空港東端付近
国内線第1旅客ターミナルより 石雲院展望デッキより
羽田空港 夕方、
国内線第1旅客ターミナルより
富士山静岡空港 石雲院展望デッキより
だいだらぼっち広場より 機内から南アルプスを望む
富士山静岡空港 だいだらぼっち広場より 機内から南アルプスを望む
富士山静岡空港
羽田空港 夕方、国内線第1旅客ターミナルより国際線旅客ターミナルを望む

 私のもう一つのこだわりと言えるでしょうか。撮影は全てマニュアル設定、露出優先で撮っ ています。レンズから見た情景、色合いは、肉眼で見たものとは違ってきますが、レンズでしか出せない色もあり、それが一致した時の一枚は自己満足に浸れる、最高に幸せな瞬間になります。また、カメラは重く、三脚を使う方法が一般的に思いますが、私は手持ちのみで撮影しています。

夜の静岡まつり  横の写真は富士山静岡空港の開港当時、日本航空が乗り入れていた旅客機です。9年経 った今では、国内では見られない、貴重な一枚になりました。
夜の静岡まつり  私の尊敬する、ルーク・オザワ氏(右)と写真展にて。 夜の静岡まつり  私の愛機、ニコンD500です。

✈ 私にとって飛行機とは

 私の頭の中のファインダーとカメラが一体となり、思った通りの撮影ができた時は、費やし た時間も、寒さも、空腹感も忘れてしまい、それを見るまでのワクワク感がたまらない快感と なって、最高に満たされた時間となります。

 私にとって飛行機は、憧れの乗り物であり、一緒に美しい自然風景などを写し込めば魅力的な写真になり、いろんな表情を見せてくれる、夢を運んで来てくれる乗り物のような存在と、 思っています。最近は、身近になった飛行機ですが、まだまだ乗る機会は少なく、ファインダ ーの中で構図を思い描いている時が、最高のフライト気分になれる瞬間です。