台風19号は、10月12日、非常に強い勢力を保ったまま、伊豆半島に上陸しました。
東日本を中心に、285河川で堤防の決壊や越水、排水不良等による甚大な被害をもたらし、90人以上が犠牲となる大災害となりました。静岡県内でも、死者3名、住家被害が3,000棟を超える大きな被害が発生しました。
これらの状況の下、静岡県内の建設業協会員は、県内はもとより県外の支援を含め、地域住民の一刻も早い「安全・安心」を確保するため、道路に流出した土砂の撤去、決壊した堤防の応急復旧、市街地に湛水した水の排水作業などに全力で取り組みました。
各地での取組を通じて会員企業の高い危機管理能力が発揮されました。その活躍の状況を紹介します。
◆各地区協会の災害対応状況
関係機関からの要請により、約100社を超える企業と従業員約2,000名が従事しました。地区協会の状況は表のとおりです。
地区協会名 | 対応状況等 |
下田 |
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三島 |
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沼津 |
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富士 |
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清水 |
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静岡 |
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島田 |
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袋井 |
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浜松 |
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天竜 |
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◆災害対応の状況
活動の事例を紹介します。
幸いなことに、下田協会管内では大きな被害はありませんでしたが、小規模な崩土や倒木が多発し、会員企業は崩土除去、倒木処理などに奔走しました。 |
函南町道丹那46号線の斜面崩落により、町道に埋設されていた管径900㎜の水道管が破断した為、函南町と熱海市への送水が止まり、多くの世帯で断水が発生しました。被災後、管理者との密接な打合せ、連携により復旧工事を実施した結果、復旧には20日ほどかかると想定されましたが、予定より大幅に短い7日間で完了し、送水を再開することができました。 |
国土交通省沼津河川国道事務所からの要請を受け、災害対策車輌(排水ポンプ車)2台の搬送及び操作のために10月15日から30日にかけて計4班、12人が出動しました。 作業した場所は、大規模な河川氾濫が発生した宮城県大崎市です。夜を徹して排水作業を行いました。 |
国土交通省沼津河川国道事務所からの要請を受け、富士市五貫島地先の元富士樋門において、排水作業を行いました。大型排水ポンプ車を搬送し、台風により潮位が上昇した10月12日14時から21時まで約7時間に亘って作業を実施しました。ポンプ排水により河川の水位上昇のスピードを押さえることができました。 |
台風による高潮の影響で国道149号、エスパルスドリームプラザ前が浸水しました。木くずが散乱し、道路は一時通行止めとなりましたが、夜を徹した流木除去作業により、早期の交通開放ができました。 |
台風の降雨により、焼津市内の地下道が冠水しました。ポンプ排水や路面清掃を迅速かつ的確に実施した結果、早期の交通開放に繋がりました。 |
静岡県建設業協会の会員は、発災直後から真っ先に被災現場に駆け付け、道路啓開や土砂撤去、排水作業などに懸命に取り組みました。こうした地域建設業の「地域の守り手」としての活動は被災地の復旧等で大きな力となっています。