富士宮市の富士山本宮浅間大社、環境省の平成の名水百選に選定された湧玉池・神田川の隣接地に「Mt. Fuji Brewing(マウントフジブリューイング)」が2019年3月23日にオープンした。最高のロケーションとともに、豊富な地元食材を窯焼きで料理した食事に、富士山の湧水100%で醸造したクラフトビールが人気を集めている。

Mt. Fuji Brewing
Mt. Fuji Brewing
 同施設は、富士宮市が市有地の利活用で募集した「富士山本宮浅間大社東側市有地整備事業」のプロポーザルで最優秀賞提案者として選出された三島市の加和太建設(株)が運営している。設計はホテルや商業施設、個人住宅など幅広く活躍するサポーズデザインオフィス(東京都渋谷区、広島市中区)が担当した。
 周辺の景観に馴染んでいる施設にはこだわりがある。屋根の形状は神社や神事などで使用する紙垂(しで)をイメージし、軒下は座れる構造になっている。店内の家具は特注でコンセプトを統一し、通行する人や車両と目線が合わないように考えられており、大きな窓からはパノラマでロケーションを楽しめるように工夫されている。桜の時期にはすばらしい景色が広がるそうだ。また、落ち着いた空間は、地元住民や観光客の憩いの場となっているだけでなく、結婚式や結婚式の2次会、パーティー会場としての要望もある。

富士山の湧水で醸造したクラフトビール 富士山の湧水で醸造したクラフトビール、料理
富士山の湧水で醸造したクラフトビール、料理
 料理は、富士宮のブランド豚「富士幻豚」のお肉と地元の農家から直接仕入れた野菜の料理が楽しめる。フランスから取り寄せた釜は高温で調理することが可能で、うま味を閉じ込めた野菜は柔らかく、お肉はジューシーに仕上がる。富士幻豚は、地元でもあまり流通しない豚肉で、脂身がとてもあまくておいしい。
 クラフトビールは、富士山の湧水100%使用して醸造している。お客様の声を聞きながら、さまざまな種類のビールにも対応し、最大10種類程度醸造している時もあったそうだ。これまでにコリアンダー、レモングラス、ローズマリー、ラベンダーなど地元産のハーブを試し、今後はフルーツなども考えている。會森施設長は「富士山の湧水をイメージできるビールの味わい、見た目に仕上げることが大切」と話す。
 レストランでは、ビールの注ぎ口が8個あるので、自社醸造の基本的なラインナップのクラフトビールとともに季節限定のクラフトビールの他、ゲストとして県内他地域のクラフトビールを提供するなど、さまざまなビールが楽しめる取り組みも行っている。
 基本的なビールのラインナップには、奥深いコーヒーやチョコレートのような風味を加え、苦味が少なくマイルドで飲みやすい黒鳶富士(くろとびふじ)、地元富士宮のハーブ園から直接頂いているコリアンダーを使用し、小麦ならではの飲み口の良い琥珀富士(こはくふじ)、柑橘系と爽やかな夏の草原のような香りを感じる柑子富士(こうじふじ)などを揃えている。

取材する静岡県建設業協会総務・広報委員会委員長 佐野茂樹氏(左)、同副委員長 三尾祐一氏(右) 取材対応してくれた清水洋和店長(右)と會森隆介施設長/醸造責任者・ソムリエ(左)
取材する静岡県建設業協会総務・広報委員会委員長 佐野茂樹氏(左)、同副委員長 三尾祐一氏(右)
取材対応してくれた清水洋和店長(右)と會森隆介施設長/醸造責任者・ソムリエ(左)
 
 地元商店街や浅間大社、富士山世界遺産センターなど周辺施設を歩いて回遊してもらうことを目的に情報発信するとともに、清水店長は一番のコンセプトは「富士宮市のファンを作ること」と話す。Mt. Fuji Brewingのこれからの取り組みが楽しみだ。

全員で記念撮影 静岡県建設業協会総務・広報委員会委員長 佐野茂樹氏、同副委員長 三尾祐一氏がビールと料理を楽しむ
全員で記念撮影
静岡県建設業協会総務・広報委員会委員長 佐野茂樹氏、同副委員長 三尾祐一氏がビールと料理を楽しむ
併設するビール工場を見学 併設するビール工場を見学
併設するビール工場を見学

【Mt. Fuji Brewing(マウントフジブリューイング)】
■営業時間(定休日:火曜日)
  ランチ  11:00~14:00
  ディナー17:30~22:00(21:30ラストオーダー)
■所在地:富士宮市大宮町4-5(富士山本宮浅間大社より徒歩1分)
■電話:0544-66-5223 URL:https://mt-fuji.beer/