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ふじのくに田子の浦みなと公園(概観) 静岡県田子の浦港管理事務所提供 | 田子の浦港の景観を楽しめる / 静岡県田子の浦港管理事務所提供 |
年間24万人が来園
富士市前田地先にある「ふじのくに田子の浦みなと公園」は、富士山から駿河湾の360度の美しいパノラマや田子の浦港の景観を楽しむことの出来る絶景スポットです。園内には富士山の100分の1の標高の展望広場「富士山ドラゴンタワー」や、富士市とロシアの友好の足跡を学べる歴史学習施設「ディアナ号」、山部赤人万葉歌牌、日露友好記念碑、アスレチック遊具のある冒険広場など見所満載の施設が設けられ、子どもから大人まで幅広い年齢層に親しまれています。周辺には「しらす」で有名な田子の浦漁協の運営する漁協食堂や、富士塚、だるま市で有名な富士毘沙門天(妙法寺)などがあります。静岡県田子の浦港管理事務所によると、令和4年の年間利用者数は約24万人に上り、とりわけ、三が日には多くの人々が訪れ、元旦だけで約3000人が集まるようです。近年では旅行情報誌で取り上げられ、地元の公園としてはもちろん、県外・国外から観光客も訪れるスポットになっています。
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富士山ドラゴンタワー / 静岡県田子の浦港管理事務所提供 | 富士山ドラゴンタワー(外観) |
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歴史学習施設ディアナ号外観 | 山部赤人万葉歌碑 |
整備工事では田子の浦港の浚渫土砂を利用
ふじのくに田子の浦みなと公園は、田子の浦港の港湾整備工事で発生した浚渫土砂約57万立方メートルを利用して埋立造成した港湾緑地(敷地面積7.6ヘクタール)です。駐車場は143台分が整備されています。アクセスとしては、東名富士インターチェンジから6キロ、車で15分、新幹線新富士駅から3.5キロ、車で10分、東海道線吉原駅から3.5キロ、車で10分程度の距離にあります。平成13年に改訂された田子の浦港港湾計画の中に緑地公園の整備が盛り込まれ、平成17年には県と富士市が共同で「田子の浦港みなとまちづくり基本構想」を策定しました。同基本構想に基づき、平成17年度から港湾整備事業により事業着手し、平成28年度までの12年を掛けて整備されました。緑地名の「ふじのくに田子の浦みなと公園」は、人々から親しみを持ってもらえるよう一般公募により愛称が決定されました。
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田子の浦港の絶景スポットです! / 静岡県田子の浦港管理事務所提供 | 見所満載の施設があり、幅広い層に親しまれています 静岡県田子の浦港管理事務所提供 |
脱水処理土の再利用を促進
堀込式港湾の田子の浦港では毎年、浚渫工事が行われており、浚渫土処理の過程で年間約3万立方メートルの脱水処理土が生成されます。この脱水処理土の再利用を促進するため、県田子の浦港管理事務所では緑化基盤材、盛土材(路体材)、改良土(セメント系固化剤等)の三つのメニューを設定し、公共事業などの工事現場で利用されています。砂・シルト系の細粒組成である脱水処理土は緑化基盤材に適し、清水港管理局(清水港日の出地区)などでの基盤整備工事で利用実績があります。盛土材(路体材や築堤材)は大沢川扇状地の砂礫土と脱水処理土を混合したもので、第2種建設発生土に適合し、県盛土材料取扱基準に適合した路体材相当の盛土材として利用出来ます。国土交通省富士砂防事務所の協力を得て2023年秋頃から提供を開始し、三つのメニューの中で最も利用されています。セメント系固化剤等と混合した脱水処理土は改良土として利用でき、一軸圧縮強度100KN/平方メートル(路体材相当)の強度を発現します。県田子の浦港管理事務所は、田子の浦港の盛土材を利用するメリットとして、運搬距離50キロメートル以内までの運搬費を田子の浦港で負担するためコスト縮減につながることや、環境系土壌調査の基準値をクリアした安心材料であることなどを挙げています。近年では、農業分野で脱水処理土を再利用するための取り組みを県畜産技術研究所と協働で進めています。順調に進めば、富士地域の牧草地で客土(土壌改良のため外部から運び入れた土)として脱水処理土を再利用出来るようになり、建設事業以外にも用途を広げられる可能性を秘めているようです。
ふじのくに田子の浦港みなと公園
http://doboku.pref.shizuoka.jp/desaki3/tagonoura/kouen/kouen.html
静岡県田子の浦港管理事務所
http://doboku.pref.shizuoka.jp/desaki3/tagonoura/index.htm
田子の浦港港湾計画
https://www.pref.shizuoka.jp/machizukuri/kowan/1003579/1029654.html
みらいの県土 田子の浦港の盛土材を利用しましょう!
https://www.pref.shizuoka.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/054/857/03mirainokenndo.pdf