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「南海トラフ地震臨時情報」を地域の減災に活かします!
~「建設企業における南海トラフ地震臨時情報に対する防災対応ガイドラインを策定しました。~


1.概要
 令和元年5月より、気象庁は、南海トラフ地震想定震源域において、巨大地震の発生可能性が高まったと評価できる現象が確認された場合に「南海トラフ地震臨時情報」を発表することとなりました。
 南海トラフ地震による被害の甚大さを踏まえると、この情報を減災に活かしていくことが重要です。情報が発表された際、建設企業が混乱することなく適切な対策が実施できるよう、対策の方向性をガイドラインとしてまとめました。
 防災を取り巻く環境は、各企業、各現場等によって異なることから、各企業は、ガイドラインを参考に具体的な対応を検討し、自社の事業継続計画(BCP)に定めていきます。
2.南海トラフ地震臨時情報
 現在の科学的知見では、地震の発生について確度の高い地震の予測は困難とされ、東海地震のみに着目した予知情報等は発表されなくなりました。これに代わり、気象庁が、南海トラフ沿いで、大規模な地震発生に繋がる可能性のある何らかの異常な現象が観測された場合に発表する情報です。
 過去の地震発生形態等を踏まえ、南海トラフの約半分でマグニチュード8.0以上の大規模地震が発生した場合に「巨大地震警戒」情報が、マグニチュード7.0以上、8.0未満の地震が発生した場合とプレート境界面で「ゆっくりすべり」が発生した場合に、「巨大地震注意」情報が発表されます。
3.ガイドラインの内容
 内閣府が示した「南海トラフ地震の多様な発生形態に備えた防災対応検討ガイドライン(令和元年5月)」に沿って、建設業の特性を考慮した防災対応の方向性を定めました。今回策定した建設企業におけるガイドラインは、防災対応の基本方針と防災対応のタイムラインで構成されています。

(1) 基本方針
◆臨時情報が発表された場合に、取るべき防災対応の基本方針を定めました。
  • 地震に対する警戒レベルを上げることを基本に、各企業の状況に応じて適切な防災対応を実施した上で、できる限り通常の事業活動を継続します。
  • 地震が発生した場合に、従業員の生命に危険が及ぶ活動を回避する措置をとります。
  • 地震が発生した際、道路啓開等の災害協定業務が円滑に実施できる体制を準備します。

(2)防災対応
◆臨時情報毎、危険性の高まりに応じた防災対応タイムラインを定めました。
  • 「半割れケース」(巨大地震警戒)発表時の防災対応タイムラインを定めました。
  • 「一部割れケース」「ゆっくりすべりケース」(巨大地震注意)発表時の防災対応タイムラインを定めました。

※詳しくは、ガイドライン本文、概要版をご覧ください。
調査結果 【PDF:南海トラフ臨時情報(建設業ガイドライン)】
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調査結果 【PDF:南海トラフ地震臨時情報防災対応<概要版>】
(FileSize: 761,856byte)  

 建設企業は、社会インフラの整備、維持管理の担い手であるとともに、災害発生時における緊急対応、応急復旧など、地域の安全・安心を守る重要な使命を担っています。今回のガイドラインは、建設企業の防災力の更なる向上に役立ててまいります。また、ガイドラインの策定を契機として、会員企業の事業継続計画(BCP)の作成や変更、突発地震の発生に備えた事前の準備等を進め、地域の皆様の期待に応えてまいります。