社団法人 静岡県建設業協会 会長　　伊藤　孝

2005年の新春を迎え、謹んでお喜び申し上げます。

会員の皆様には、日頃から建設産業の発展にご努力を頂いていることに深く敬意を表します。

さて、我が国の最近の経済は、企業収益や設備投資に若干の明るさはあるものの、足元の景気の方向性を示す景気動向指数を見ますと、米中経済の減速、原油高やドル安等の外的要因により、回復基調も踊り場に差し掛かった感があります。

昨年は、建設投資の減少、国・地方財政の逼迫による公共投資の縮減など、建設業界は厳しい経営環境に直面したこともあり、ダンピング紛いの低落札が頻発し、下請企業への影響等が顕在化してきました。

本年の建設業界も、歳出改革路線の堅持による公共投資の抑制、受注の減少、競争激化による利益率の低下など、これまで以上の厳しい状況が予測されます。

このような状況下にあって、昨年の臨時国会に議員提案された品質確保法案は、技術と経営に優れた企業が建設市場において、公正かつ適正な競争が行われる環境の整備が進められることが期待され、我々業界と致しましても、早期成立を望むものであります。

一方、当協会は「地域とともに生き、地域を守る」ための事業活動に力を注いでおります。その活動に当っては、市町村合併が我々に及ぼす影響が極めて大きいことから、合併に伴う入札契約制度等の運用面での問題点や改善策への意見、要望を行っていくために、「市町村合併が建設業会に与える影響について」並びに「入札契約制度が建設業界に及ぼす影響」を調査、検証し、この結果を基に関係市町村等に対し、現行入札契約制度に如何に問題があるか、また、公共事業の本質は何であるかを提言要望等を行うこととしております。

また、昨年は、新潟県中越地震や本県では台風22号による大きな被害など、自然災害が多発した1年でもありました。知事との新春対談において、知事から「被災地では、地域の建設業の方々にご尽力を頂き、、地域単位の建設業協会の機動力や重要性を再認識し、今後も頼りに致します」と感謝の言葉を頂きました。我々建設業界は、常に万が一の事態に備えて「災害時に被害を抑える予防策」と「災害が起こった時に緊急対応ができる体制」を両輪とした防災体制の構築に今後も取り組んでいきたいと考えております。会員皆様方の一層のご協力をお願い致します。

平成17年は、誰もが豊で快適に暮らすことのできる魅力ある“しずおか”を実現するための各種事業を積極的に展開してまいります。

最後に、皆様方の更なるご発展とご健勝を記念いたしまして、新春の挨拶といたします。

平成17年元旦

静岡県知事　石川嘉延

明けましておめでとうございます。

皆さまには、健やかに新年を迎えられたこととお慶び申し上げます。

さて、昨年は、世界に向けて“しずおか”の魅力を発信するしずおか国際園芸博覧会「浜名湖花博」と「世界お茶まつり2004」を開催し、県民の皆さまの多大なご協力のもと、大成功を収めることができましたことを改めて心から御礼申し上げます。

このようなイベントを通じ、「協働と参加」の精神が大いに培われ、これからの静岡県にとって大きな財産を得ることができたと考えております。

今、私たちの社会は、急速な少子高齢化の進展や、それに伴う社会保障制度への不安、国・地方を通じる財政赤字など、克服すべきさまざまな課題を抱えております。

こうした中、私は、「富国有徳」の魅力ある地域づくりを基本理念として、県政運営に努めておりますが、この「富国有徳」の実現を一層強力に図っていくための手段として「創知協働」というスローガンを新たに提案したいと思います。

「創知協働」とは、人が生み出す知的価値を重視した「知の創造」と、いろいろな分野の人が力を合わせて活動する「協働」により、新しい産業の創出、集積を図り、豊かさと有徳の志を兼ね備えた社会を実現しようとするものであります。

この「富国有徳　創知協働」の理念のもと、さまざまな課題を克服し、より明るく豊かな未来を実現するための政策を積極的に展開してまいります。

まず、静岡空港や第二東名をはじめとする陸・海・空の交流基盤の整備や、独創性のある元気な産業づくり、だれもが能力を発揮できる雇用の場の確保など、豊かな県民生活を支える基盤づくりに努めてまいります。

また、総合的な少子化対策や健康長寿日本一を目指す健康県づくり、景観を大切にし、環境保全と一体となった美しい県土づくりなどにより県民の皆さまの生活充実を図ってまいります。

さらに、人間の持つ力の素晴らしさを再認識し、その人間力の向上を図るため、子どもたちの「確かな学力」の育成など活力ある未来を拓く意味ある人づくりの一層の推進に努めてまいります。

皆さまの県政へのご理解と、積極的な「協働と参加」をお願い申し上げますとともに、ご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます。

平成17年　元旦