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キャッチフレーズは「ニュー女将」

聞き手/鈴木光人
県建設業協会広報部会委員
青木建設(株)営業課長・三島協会
川良1目につきやすい建物
目につきやすい建物

もともと純和風のホテルに、グランシャトー舘を新築し、創業以来守り育ててきた和風旅館の温もりをベースに、リゾートホテルの心地よさと、建築美を融合させた「ラヴィエ川良」になって早10年が過ぎた。

キャッチフレーズは「ニュー女将」。既存の考え方にとらわれない柔軟な思考と行動力が魅力。自身、国内には未だ160名ほどしか存在しない「ブルゴーニュワインの騎士」の称号を持ち、披露宴やパーティーの席上でソムリエとして活躍するほか、同社のIT担当として自社ホームページの編集など、デザイン関係の業務もこなす。担当した当初は素人同然だったIT関連も、「これからの観光業界はHPなくしてはやっていけない」と奮起し勉強。デザインが好きということも手伝い、今ではプロ顔負けの腕前だ。

ラヴィエ川良HP
ラヴィエ川良HP

一昔前はただの広告媒体だったHPも、今は経営戦略の一つとしてとらえており、人から人へ伝わる口コミを基本に据えつつも「もはや待っていてお客様が来てくれる時代ではありません。HPなどメディアの力を武器として、こちらから積極的に仕掛けていかなければ」と提言する。

ホームページの編集から館内のポップづくり、コンサートポスターに客室インフォメーションまで幅広く携わっているが、目指すのは「従業員が働きやすい環境づくり」のお手伝い。目に見える形ですぐに結果が出る仕事ではないが、「少しずつでもホテルが変わっていっていることにやりがいを感じます」。また、伝統を大切にしつつも、少し目先を変えて、淀んだ空気を停滞させないように常に新しい風を吹き込ませるようにしている。

伊藤駅前夜景
伊東駅前夜景

まちづくりについて、「これまでは機能的で便利な物が良しとされてきましたが、今は自然と調和し風情があるデザイン的な物が好まれるようになってきています。『不便もある種楽しい』と感じられるような街並みづくりをこれからも頑張って欲しいですね」と語る。

フランスやヨーロッパなどは、伝統を尊重しながら新しいものも取り入れ、どこをとっても絵になる街並みだが、「伊東をはじめとした伊豆地域も、もう一ひねりして街全体があるコンセプトに沿ったまち興しをして欲しいですね。やはり自分の生まれ育った街を誉められると嬉しい。古き良き伝統を保持しつつ、街並みに合った新しい建物を」と期待する。

館内防災面については、毎朝の朝礼時の防災点検、1日2回の防災ベル点検などで対応しているが、火災を中心とした内部の防災対策はやっていて当然の事。「防災を整備して、観光客の方に安心して来てもらえるまちづくりをするのは行政の仕事。それを業界という一つのパワーで推し進めてほしい」と建設業界に要望する。

趣味のワインは、必ず毎日一本は空けるほど大好きなんだとか。「ワインは嗜好品なので楽しみかたは人それぞれです。安いワインでも高いワインでも一緒、その時を楽しむためのツールとして存在するもの。当ホテルも、ホテルというある種非現実のリゾート空間の中で、お客様に最高の思い出を作ってもらえるようにお手伝いができれば」と笑顔で語る。

インタビュー
左から鈴木委員、女将と社長
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