CD制作と合わせ、
ポスターも作成
長年、保護司を務め、矯正施設から出てきた人の社会復帰を支援するNPO法人「清水地区協力雇用主会」を設立するかたわら、今までに100曲以上の作詞を手掛けてきました。
その中の一つ、『勇気は君のもの』を、自殺防止キャンペーンソングとして作詞しました。2010年5月8日には、CDレコーティングを行い、500枚を自主制作。レコーディング前に、建通新聞で取り上げられたこともあり、インターネットなどを通じて、清水区内や県西部地区の学校から「命を大切にする授業で使いたい」と言っていただいています。
2010年5月に発表された「警察庁生活安全局生活安全企画課 平成21年中における自殺の概要」によりますと、平成21年の自殺者の総数は3万2845人で、前年に比べ596人増加しています。
「自殺防止」をキーワードにした詞を書こうと思ったのは、統計による数字だけでなく、私個人の周りでも、悲しいことに、自ら命を絶つ人がいたからです。
事業の失敗や家族の失踪、家庭問題などを原因に、下請けや取引先で、この5〜6年に3人の人が。そして3年前には、行き付けの飲食店の女性が焼身自殺をしました。
左から、作曲・鈴木武士氏（葉月龍）、
歌・小林睦子さん、
作詞・齋藤康行（サイトウ ヤスユキ）
レッスン風景
そのほかにも、保護司の役目として、残された配偶者、将来、日本国を担う子供たちの生活問題。家庭の大黒柱を亡くした時、後を追うことがないか。家庭内のハンディを一生背負っていけるか･･･などなど、自殺問題に関心を持ち始めると、さまざまな課題が見えてきます。
自らの命を断とうと考えた時、「勇気は君のもの」の詞の一部でも頭に残り、思いとどまってもらえれば…。一つの言葉が、悩んでいる人たちにストレートに伝わるよう分かりやすく、優しい言葉を使いました。そして、曲を聴いて「勇気」を持って生きてほしい。そんな気持ちを歌詞に込めました。
作曲は、清水歌謡塾（静岡市清水区）の塾長・鈴木武士氏に依頼。鈴木氏は「葉月龍（はづき・りゅう）」として作曲作品が数多くあり、私の詞に曲をつけてくださいます。
鈴木氏には、2009年11月に詞を渡したところ、「イメージを膨らませるのに時間がかかった」と話しながらも、「メジャーコードで明るく、元気を出そうという曲」に仕上げてくれました。
歌は、清水歌謡塾・塾生の小林睦子さんにお願いしました。小林さんは、清水区内の特別養護老人ホームで看護師として勤務されています。
「命の大切さが、歌で伝わるよう思いを込めて歌います」。自殺したいという「気持ちになることは、誰にでも起こりうること。でも、その前に、人が生まれてくる奇跡を考えてほしい」と、レコーディングの時には、子を持つ親としての思いも語り合いました。
内閣府自殺対策推進室では、毎年9月10日から16日を「自殺予防週間」、3月を「自殺対策強化月間」と定め、総合的な自殺対策を進め、静岡県内でも街頭キャンペーンやリーフレット配布、講演会などが展開されています。
静岡市・小嶋市長への表敬訪問
＝9月13日、静岡市役所
9月の「自殺予防週間」にあわせ、9月13日に静岡市の小嶋善吉市長のところへ、作曲してくれた鈴木氏と一緒に、表敬訪問をさせていただきました。
曲を聴いて、小嶋市長は「明るい、きれいな曲ですね」「関連団体などへPRすることも考えていきたい」と、おっしゃってくださいました。
このように、これからも、自殺防止対策の一層の拡大・強化などを行政へ働き掛けをしていきたいと考えています。
CDの問い合わせは、電話054（346）3097まで。
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CDと楽譜
『勇気は君のもの』
作詞 サイトウ ヤスユキ
作曲 葉月 龍
編曲 岩上 峰山
悩み・苦しみ 迷い・心配
生ある限り 誰にもあるさ
そんな時 ひとりで苦しまず
勇気を出して 前向いて
「さあツ！ 元気！出せよ！」
四方八方 ふさがれたって
青い空は あいている
君の勇気に 負けるな
いじめ・落ち込み 苦痛・失恋
夢ある限り 誰にもあるさ
そんな時 ひとりで悩まずに
勇気を出して 前向いて
「さあツ！ 元気！出せよ！」
もつと苦しい 人がいっぱい
夢をなくし 泣いている
君の勇気に 負けるな
病・うらぎり 悲痛・悔しさ
時ある限り 誰にもあるさ
そんな時 ひとりで沈まずに
勇気を出して 前向いて
「さあツ！ 元気！出せよ！」
私に僕に 声がいっぱい
明日を信じ 歩こうよ
君の勇気に 負けるな
