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「W杯を振り返って」


   
2002年FIFAワールドカップ
日本組織委員会静岡支部長
松浦 孝治

 日本代表の活躍により国民に夢と希望と感動を与えてくれた今回のワールドカップを静岡スタジアムエコパで運営に関わった側から振り返ってみたい。
 はじめに世界最大のスポーツイベントを日本で初めて開催するにあたり、県、警察本部、消防署、JR、医療機関、ホテルなど多くの関係機関の御理解と御協力をいただき無事開催出来ましたことに感謝申し上げます。
 次に、本大会で気が付いた点を2,3点申し述べたい。

・ボランティア
 ビッグイベントに欠かせないボランティアの確保について、当初はW杯だからと楽観していたが、ふたを開けると、「平日開催、語学力、無報酬、交通費なし」の条件が重なり受付開始1週間たっても1割程度、私も危機感をいだいた。早急に近隣の大学、企業、体育関係者、商工会議所などを東奔西走した。また、地元の各メディアにも協力を要請し、NHKサンデースポーツの生番組にも機会を得て切実に訴えた。おかげで翌日から全国から協力の手が挙がり、その後見る間に増え、なんと1300人の応募に対して1800人を超えるまでに至った。私たちの必死の願いが通じて本当に嬉しかった。そして本大会でのボランティアの皆さんの心温まる対応には頭が下がる思いで一杯である。

6月21日、エコバが舞台となったイングランド対ブラジル戦

・フーリガン対策
 エコパにはフーリガンの元祖であるイングランドとドイツの2カ国がやってきて心配したが、大きなトラブルもなかった。結果的には日本人サポーターの方が迷惑を掛けた者が多かったようだ。逆に外国人はサポーター同士で肩を組んで称え合う光景も見られたほどであり、フーリガン対策もとり越し苦労で終ってよかった。しかしこれも警備当局の事前の準備があったことに他ならない。

・チケット販売
 この素晴らしい大会にミソをつけた感のあるチケット販売、改めて多くの皆様にご迷惑をお掛けしたことを心からお詫びする次第であります。観戦客にとっては、どこが(FIFA、バイロン社、JAWOC)所管だろうと関係ないだろう。
 我々スタッフとしても一人でも多くの方に観戦してほしかったのに残念であった。FIFAにはお客さんの立場に立った運営を忘れては、今後の発展は期待できないだろう。敢えて苦言を呈したい。

・今後に向けて
 FIFAに対して、そして、全体的に、開催国に対しもう少しチケットの印刷、販売、宿泊などの業務を任せていただきたいと思ったが、これは日本のサッカーの世界での認知度と無関係ではないように思える。日本サッカーが今回ベスト16になったが、世界においては、まだまだ認めていただいていないのかなと言う感じであります。W杯を契機に日本のサッカーのますますの発展に期待したい。
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