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地底を探検する ~竜ヶ岩洞~

黄金の大滝

黄金の大滝

竜ヶ岩洞は、浜松市北区引佐町にある鍾乳洞で、「東海道随一の鍾乳洞」と言われている。総延長は約1,000m(公開部分は約400m)、1年間に約60万人が訪れ、地域の観光資源として大きな役割を担っている。

故戸田貞雄氏が地域の発展を願い、昭和56年から約2年半の歳月を掛け、昭和58年10月に完成させた観光施設。竜ヶ岩洞の見所等をご紹介する。

1. はじめに

本洞調査後 洞口にて
本洞調査後 洞口にて

竜ヶ岩洞は、引佐町田畑の竜ヶ石山南麓にある。

竜ヶ石山(標高359.1m)は、秩父古生層に属する石灰岩、粘板岩、チャートなどの堆積岩から成り、今から約2億5千年前激しく起こった海底火山の噴出物や大陸からの汚泥、石灰質の殻を持った海生物の遺骸などの堆積物が地殻変動で、強い圧力や熱の影響を受け、その後の造山運動によって地上に押し上げられたものと言われている。

元々 戸田氏は、この地で採石業を営み、竜ヶ石山で石灰を採っていた。

セメント、ブロックの時代になり石灰は殆ど売れなくなり、負債を抱え、会社は倒産。採石場は宅地等への転換もできず、「何とかしなければ・・・」と考え、「洞窟でも掘って人集めでも」と思いつき始めたのが竜ヶ岩洞開発の始まり。

山へ泊り込んでツルハシ片手に一輪車でコツコツと洞窟を掘っていた。名古屋大学の先生がこの地を見て、「奥に花(鍾乳石)が咲いている可能性が高い。」と言われ、その言葉を支えにひたすら掘り続けた、と後に木島則夫氏との対談で発掘当時の思い出を述べている。

2. 鍾乳石の生長速度は、100年に1cm

石灰岩が酸性の水に溶かされ洞窟を造る。洞窟の天井から滴り落ちる水が空気に触れて炭酸カルシウムをつくり、それが天井や壁、床に積み重なって鍾乳石を生長させると言われている。

鍾乳石の生長は、地域や自然環境、岩質などにより一定ではない。1cm伸びるのに山口県の秋芳洞では70年、福島県の阿武隈洞では5ヶ月程であったと報告されている。

竜ヶ岩洞は、未調査だが、豊橋市の「新穴」では10年で1mmにも達していないとのことから200年くらい掛かっていると推測されている。

一般的に生長速度の速いものは細長く色白で、遅いものは太く短く色黒である。1本1本に気を配り観察するとより面白い。

石柱の宝
石柱の宝

3. 竜ヶ岩洞の見どころ

竜ヶ岩洞の総延長は約1,000m、このうち、現在一般公開されている部分は約400m、洞内散策は概ね30分から40分程。洞内気温18度。夏は涼しく、冬は暖かい、快適な観察であり次のところはじっくり観察したい。

水平天井 洞口から約30mのところにある平になっている天井で、褐色に縁とられた凹み、シーリングポケットと言い、天井までに浸る地下水の乱流により溶食された。
喜びの窓 開発前まではこの「喜びの窓」より先は狭いため、人が進めなかった。奥への入口が発見され、洞穴の全容が明らかになったところ。
黄金の滝 東海一を誇る洞穴滝は、竜ヶ岩洞のシンボル。落差は30m滝つぼと滝口を結ぶ大きな空間をじっくり観察したい。
鳳凰の間 結昌した方解石がまばゆい程に輝いて畦石をつくる。
花びらのように結晶しているので、石花(アンソダイト)と呼び、大変珍しい貴重なもので、天井、壁、床で見られ洞内最高の見所。

この他、洞窟資料館が併設されており、鍾乳石や洞窟を取り巻く環境、人類と洞窟のかかわりをテーマに立体的な展示されており、子供たちの理科の勉強に役立つ施設である。

くらげの滝のぼり 鳳凰の間
くらげの滝のぼり 鳳凰の間

4. 交通の便

黄金の富士
黄金の富士

(1) バス

・JR浜松駅から遠州鉄道バス奥山行きで竜ヶ岩洞入口下車

(2) 自家用車

・東名浜松インターより国道257号に出て北へ約30分

・東名三ケ日インターより国道362号を東へ細江町を経て約30分

(3) 連絡先

住    所  浜松市北区引佐町193

T  E  L   053-543-0108

ホームページ  http://www.doukutu.co.jp/


(注)故戸田貞雄氏は、(社)浜松建設業協会員の(株)戸田建設社長 戸田達也氏の祖父である。なお、本文は、「竜ヶ岩洞のあらまし」を参考にした。

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