最近における日本経済は、一昨年のアメリカに端を発した世界不況から依然として脱することができず、本県においても有効求人倍率が全国平均を下回る月が継続するなど厳しい状況が続いている。こうした中、昨年の『政権交代』は、急激な変化と混乱を招き、地方経済や各業界に重大な影響を及ぼし二番底になるのではとの危惧を与えている。新政権においては「コンクリートから人へ」をスローガンに前政権時の補正予算の減額や22年度公共事業費予算を18.3%削減するなどの施策を実施しているが、こうしたことにより、我々建設業を取り巻く環境は、今後益々厳しい状況が続くものと予想され、21年度末及び22年度初めには倒産・廃業に追い込まれる建設業者が数多く発生するのではといわれている。
平成22年1月に行った会員へのアンケート調査においても、公共・土木の施工高が前年より減少したと答えた会員企業は77%、公共・建築にあっても75%弱が減少したと答えており、収益状況について悪化したと答えている会員企業は76%にのぼることがわかった。
また、国内の建設投資額を見ると、平成21年度の見込み額は約43.1兆円で、ピークであった平成4年度の約84.0兆円と比べると50%近い減少となっている。一方、建設業者数(許可業者数)は、平成20年末は50.8万業者で、ピーク時の平成11年の60.1万業者から10万業者近くと15%減少しているが、建設投資額の減少の割合から見ると深刻な過剰供給構造となっている。
こうしたことから、今後、新政権に対し、地方中小・中堅建設業者対策として、中長期的視点に立った建設産業政策指針、ビジョンの掲示を求める必要がある。
このような現状を踏まえ、本協会においては、次の施策に積極的に取組むこととし、『技術と経営に優れた企業の集団であるともに地域に密着した建設業協会』を目指す。
このため次の項目を重点事業として実施する。
以上に加え、
平成19年度の県建協改革ワーキンググループの提案を受けて、作成した「中期的な県建協のあるべき姿」(アクションプログラム)の3年目(最終年度)をむかえ、目標である協会運営の効率化の実現についても引き続き進める。
なお、事業執行に当っては、全国建設業協会が制定した「建設企業(団体)行動憲章」に基づく法令遵守の徹底と企業(団体)の社会的責任(CSR)への対応についても適正かつ厳正に取組む。
1. 会議等
(1) 総会・理事会
(2) 監事会
(3) 正副会長会議
(4) 常任理事会
(5) 全国建設業協会関係会議
(6) 東海4県ブロック会議等
(7) その他の会議
2. 委員会
(1) 総務・広報委員会
(2) 労務委員会
(3) 環境・災害対策委員会
(4) 特別委員会
3. 公益法人移行事務の推進
「21年度公益法人制度改革検討委員会検討結果報告書」により「本協会は、25.11.30までの間に一般社団法人への移行認可申請事務を進める」こととされ、常任理事会の承認を得たが、今後、定款の改正、移行認可申請書の作成等協議すべき事項があることから、引き続き公益法人制度改革検討委員会での検討を行う。
なお、従来は一般会計と特別会計に区分して会計事務処理を行ってきたが、公益法人会計基準に基づき事業別の会計処理を行うことにより、区分する必要がなくなったことから、22年度以降については会計を一本化し会計事務処理を行う。
4. その他
(1) 土木・建築関係
(2) 建設論文事業の実施
従来昭和会で実施していた高校生等を対象の「建設論文」事業を、今後の人材確保推進事業の一環として昭和会の協力を得ながら県協会が実施する。
(3) 関連機関、諸団体との連絡協調、防犯意識の高揚、交通安全意識の推進、しずおか男女共同参画推進、福祉事業等県協会の目的達成のための諸事業への参加等を積極的に実施する。