「勝間田川大好きたんけん隊~勝間田川にはウナギがいるよ」というテーマで、トップバッターで発表壇上に上がった20人の探検隊員は、最初は緊張していましたが発表が進むに連れて本来の明るさと、元気を取り戻して自分たちの研究成果を思い切りアピール、発表することができました。

 発表が終わり、次の発表成果が出るたびに、彼らは次第に自信が薄れ意気消沈しかけていましたが、全員の発表が終わり、参加者全員によるそれぞれの賞への投票がありました。投票結果が次々に発表され、最後になっても名前を呼ばれず半ばあきらめかけていると、「最後に、川自慢大賞に輝いたのは、勝間田川にはウナギがいるよ、を発表した勝間田小学校のメンバーです」の発表。彼らはその発表が聞えた途端歓声を上げ、会場の拍手とともに壇上にかけ上がり、全員で表彰を受け、賞状と大賞カップ、それに副賞として大きな箱に入ったクッキーをいただきました。

大賞の受賞の様子です
▲大賞の受賞の様子です
輝かしい表彰状です
▲輝かしい表彰状です
大賞カップです(クッキーは写真を撮る前に全員でおいしくて食べてしまいました)
▲大賞カップです
(クッキーは写真を撮る前に全員でおいしくて食べてしまいました)

 山間の小さな小学校の生徒たちが、校舎の横を流れる勝間田川に目を向けて、川で遊び、水生生物を採取し、魚と触れ合ううちに、ウナギと出会いました。

 3匹のウナギを「ウナ君」「ウナミちゃん」「ウナギチ」と名付けて校内で飼育することになり、水替え、餌やり等当番を決めて世話をし、餌のミミズの住む環境を観察したりするうちに、沢山餌を与えても余分には食べないことや、成長するに連れて、水槽に手をやるとウナギが近付いてくるようになり、一層愛着を感じるようになりました。やがて勝間田川には絶滅危惧種の「日本ウナギ」がいることを知り、勝間田川の自然環境が気になって、上流から下流まで川を探検してみると、下流に行くにしたがって汚れがひどくなり、自分たちの生活習慣に注意して汚水やごみを出さない工夫が必要だと感じました。また、川の形態を見ると、次第にコンクリートで固められつつあるのに気付きました。

 その後、島田土木事務所の職員から川の説明を聞いた時に、自分たちが気付いた川の様子を話して、「特に危険なところはコンクリートで固めても、そうでないところは蛇籠や、石積、張芝で作って生き物が生育し易い川を作って下さい」などとお願いをしました。

 ウナギの話は食生活にまで及び、近くのウナギやさんに行って話を聞いたり、愛着の湧くウナギを(実際には別のウナギ)蒲焼きにして皆で食べてみました。ただ愛着を感じて飼育するだけでなく、人間の生活の糧を潤してくれるものであることを実感して、「おいしかった」と思いました。

たんけんたいいんに囲まれてインタビューの席上
▲たんけんたいいんに囲まれてインタビューの席上

 小さな研究と発想が、川の中からまわりまわって人間の生活にまで及んで、循環している自然の連鎖を体験することにより、それぞれの環境を保全することの大切さを身に着け、行政にまでアピールできる小さな小学校の元気な探検隊員に囲まれて、頼もしさを感じ、環境を大切にする発想の芽生えを感じました。小さなころの体験が将来の生活の基となり大きな大人に育つ隊員たちにエールを送りつつ、そんな環境を指導してくれる先生方に感謝しつつインタビューを終わりました。

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