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 2020年10月の稼働を目指して富士市の新環境クリーンセンター建設が進んでいます。約230億円が投じられ、「安全と安心を約束する資源循環パーク」を基本理念に富士市の循環型社会形成、低炭素社会形成に向けて中心的な役割と機能を担う施設の建設を目指しています。循環啓発棟では環境学習が行われ、余熱を利用した温浴施設が整備される予定です。
今回は発注官庁の富士市新環境クリーンセンター建設課の植野暢之課長、遠藤正徳統括主幹、施工を担当する川崎重工業(株)の髙野大志氏、(株)石井組統括責任者の鈴木新悟氏、主任技術者の高山充氏に建設までの経緯や施設概要、特徴などについてお話しを伺いました。 (聞き手:静岡県建設業協会総務・広報委員会委員長 佐野茂樹氏、同副委員長 三尾祐一氏、富士建設業協会副広報委員長 遠藤祐佐氏)

植野暢之課長(左)、遠藤正徳統括主幹(右) 佐野茂樹委員長(左)、三尾祐一副委員長(中)、富士協会・遠藤祐佐副広報委員(右)

植野暢之課長(左)、遠藤正徳統括主幹(右)

佐野茂樹委員長(左)、三尾祐一副委員長(中)、
富士協会・遠藤祐佐副広報委員(右)

髙野大志氏(右)、高山充氏(中)、鈴木新悟氏(左) インタビューの様子

髙野大志氏(右)、高山充氏(中)、鈴木新悟氏(左)

インタビューの様子

委員 新環境クリーンセンター建設の経緯について伺えますか

遠藤統括主幹 ごみ処理能力は125トンの焼却炉が2炉、1日最大250トンの能力があり、連続運転式のストーカ焼却炉です。焼却処理対象は可燃ごみ、し尿汚泥、下水汚泥などになります。環境クリーンセンターと同じになりますが、し尿汚泥は富士市の「クリーンセンターききょう」からの脱水汚泥などを処理します。剪定枝の破砕能力は1日5時間の稼働で平均2.72トンの能力となります。環境クリーンセンターでは剪定枝のチップ化事業に取り組んでおり、チップは肥料の原料やマルチング材として利用し、無料で家庭などに配布しております。平成30年度に環境クリーンセンターで焼却処理した一般廃棄物は年間6万4964トンです。焼却後の灰の重量は焼却前の約1/10となります。
 新環境クリーンセンターは、工場棟(ごみ焼却エリア、破砕エリア、管理エリア)、資源回収棟(選別エリア、計量エリア、車庫エリア)、循環啓発棟(修理・再生エリア、余熱利用体験エリア)で構成します。工場棟は可燃ごみの焼却と剪定枝の破砕を行う施設、資源回収棟は市民が廃棄物を直接、持ち込みできる施設で選別や保管をします。循環啓発棟は、不用品の再生や余熱利用を通じた環境学習を行う施設となります。施工は川重・石井・井出特定共同企業体が担当しており、工期は2017年2月16日~2020年9月30日、2020年10月の稼働予定です。現在、完成に向けて、順調に事業を進めています。

施設概要

循環啓発棟平面図(提供=富士市)

委員 施設の特徴としては

遠藤統括主幹 施設整備の基本理念である環境との調和、地域との融和、富士山との融合を目指した「安全と安心を約束する資源循環パーク」と、①安全、安定、安心を約束する施設②もったいないを育む施設③地域に融和する施設―の3つの整備基本方針に対し、事業者から12項目の内容が提案されています。敷地は傾斜地である地形を活かした3段造成で、高低差のある3つのエリアに分けて各施設を配置し、動線計画が立てられています。また、焼却廃熱を高効率で利用した発電設備では最大6800キロワットの電力を発電し、敷地内の施設で活用するほか、残りの電力は売電する予定です。外観デザインは土、水、緑の彩色を採用したアースカラーをベースに地域に融和する施設となります。
 循環啓発棟では、市民の交流や癒しの場を提供し、居心地の良い施設を目指しています。修理再生エリアでは体験型の学習プログラムなどを計画している他、不用品となった家具などを再生します。余熱利用体験エリアには温浴室や大広間、食事処などを整備します。また、多くの市民が利用しやすいように、新環境クリーンセンターでは一般廃棄物搬入の入口とは別に、循環啓発棟への入口を確保し、約140台分の駐車場を整備します。工場棟では、施設内を巡る見学ルートを設け、クリーンセンターの役割を学習するだけでなく、5階からは富士山や駿河湾を見渡すことができます。

南西側より(循環啓発棟)
南西側より(循環啓発棟)
建設が進む工場棟 現場を見学
建設が進む工場棟 現場を見学

委員 現環境クリーンセンターは今後どうなりますか

遠藤統括主幹 新環境クリーンセンターの稼働により、運転は休止する予定です。休止後につきましては現在検討中です。

委員 「新環境クリーンセンター建設工事NEWS」やドローンによる「工事状況の動画の配信」など、即時性のある工夫された情報発信は、富士市からの要望で始まった事ですか

遠藤統括主幹 地域に融和する施設として、情報公開と市民参画を通じた信頼性の確保に向けて事業者から技術提案されたものです。また、富士市のホームページでの情報発信だけでなく、事業者が「新環境クリーンセンター」のホームページを開設し、工事の進捗状況のほか、修理・再生エリアに関する会議の案内や報告などを情報発信しています。


・「新環境クリーンセンター建設工事について」(富士市役所ホームページ)

 https://www.city.fuji.shizuoka.jp/sp/kurashi/c0709/rn2ola0000011zp3.html

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