富士山の山開きが近づくと高さ3メートル、幅1.2メートル、重さ約90キロの一対の巨大なわらじが、JR御殿場駅に現れる。その大きさに圧倒されてか、記念撮影をする観光客も後を絶たず、いわゆるインスタ映えするスポットとなっている。
 この「大わらじ」は御殿場わらじ祭り保存会のメンバーと延べ100人の製作ボランティアが力を合わせて製作したもの。

御殿場大わらじ

 御殿場市観光協会のWEBによると「古来より御殿場は富士信仰の拠点であり、東海道箱根越えの旅人の足「わらじ」の産地であったことから、毎年このわらじを開山の行事として奉納し、健康祈願、五穀豊穣、交通安全を祈念している。」とあり、登山シーズンが終わる9月まで登山者の安全を見守ってくれているのだ。

御殿場大わらじの由来

 この「大わらじ」にちなんだお祭りが、8月の夏祭りに併せて開催され「御殿場わらじ祭り」として市民に親しまれている。
 歩行者天国にはパレードや音楽演奏、ヒップホップダンスの発表会、地元商店街によるイベントなどが繰り広げられ、御殿場にこんなに人がいたのだとビックリするくらいの賑わいを見せていた。

御殿場わらじ祭り

 見どころのひとつとして「わらじ競走」がある。わらじに人を乗せ、それを二人一組で引き、その速さを競う競技だ。一般の部、女性の部などに加えてパフォーマンスの華やかさを競うものもあり、どちらも沿道に鈴なりとなった観客で賑わい、元気の良い声援が飛び交う。
 予選から勝ち上がったチームによる決勝戦では白熱したデッドヒートが繰り広げられ、コーナリングの迫力は息をのむほど。「わらじ競走」という可愛らしいネーミングの競技の割にはガチの勝負が繰広げられ応援にも熱が入ります。

わらじ競争

 「御殿場わらじ祭り」の最後を飾るのは、「わらじ渡御(とぎょう)」。日が暮れた18時30分頃から、公募により集められた「わらじ娘」が、飾られていた「大わらじ」を神輿にした「わらじ神輿」を担ぎ、新橋浅間神社に奉納するのだ。この様子は、平成2年に週刊新潮の表紙を飾り、この祭りが全国に知られる契機となった。

わらじ渡御

 登山シーズンが終わる9月になると「大わらじ」は、その年の役目を終え「わらじ供養祭」にて、お焚き上げとなる。
 奇祭、「御殿場わらじ祭り」に是非ともお越しください。沢山の笑顔でお出迎えいたします。

御殿場わらじ祭りホームページ
 http://www.gotemba-waraji.com/

御殿場観光協会ホームページ
 http://gotemba.jp/