INDEX >>年頭所感

年頭所感


協会会長
一般社団法人静岡県建設業協会
会長 石井 源一

新年、明けましておめでとうございます。
 日頃から、当協会の事業運営に格別のご支援・ご協力を賜り、厚くお礼申し上げます。

昨年を振り返りますと、良いニュースが二つありました。一点目は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5月に2類相当から5類に引き下げられたこと、そして二点目は、通常国会で6月に『強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靱化基本法』、いわゆる『国土強靭化法』が改正されたことです。

令和2年の春頃から国内において本格的な流行が始まった新型コロナウイルス感染症は、流行当初は、「収束まで18カ月程度かかる」といわれていましたが、想定の倍の36カ月以上が経過した昨年5月に漸く感染症法上の位置付けが5類に引き下げられ、行動制限等が無くなりました。

これにより経済活動の活発化が期待されます。また、技術的には可能であってもなかなか進まなかったリモート会議が定着したことから、建設業においても遠隔臨場や遠隔操作などのICT活用が、今後より一層進むものと思われます。

また、東日本大震災以降、地震や風水害など全国各地で大規模な自然災害が相次いだことから、国土強靭化3カ年緊急対策や5か年加速化対策により災害に強い基盤整備が進められてきましたが、国土強靭化法の改正により、「国土強靭化基本計画に基づく施策の実施に関する中期的な計画」である「国土強靭化実施中期計画」の策定が規定されたことから、今後は事業の中期的な見通しを立て易くなることが期待されます。

一方で、価格高騰はやや落ち着きを見せているもののウクライナやイスラエルなどに見られる不安定な国際情勢により経済に与える影響が懸念される他、人口減少・少子高齢社会により地域を支える担い手の不足、気候変動による激甚化・頻発化する災害への対応、盛土条例・盛土規制法の施行に伴う残土処分場の確保困難などの従来からの課題への対応に加え、この4月から時間外労働時間の上限規制など働き方改革関連法が建設業界においても適用となり、これにも適切に対処する必要があります。

特に将来的な気候変動による影響として、産業革命以前と比べ気温が2度上昇した場合で、2040年頃の降雨量が約1.1倍、河川流量は1.2倍、洪水発生頻度は2.0倍に増えると想定されていますが、静岡県内では令和3年の熱海の土石流災害、令和4年の台風第15号、令和5年の台風第2号と規模の大きな災害が連続しており、激甚化・頻発化が既に現実のものになっていると感じられます。

災害への対応や備えは、我々地域の守り手である地域の建設業においては最優先事項です。本協会では、災害応急対応に当たる地域建設業の愛称を『建設災害応急支援隊C-DEST(シーディスト)』とし、ロゴマークも作成しましたが、本年11月に開催される令和6年度緊急消防援助隊関東ブロック合同訓練などの機会を通し、協会としての対応を確認していきたいと思います。

我々建設業は、常に人々の暮らしと共にあり、文明と共に発展し、地震、水害、火事、飢饉、疫病、戦乱など人々が被る様々な困難を直接または間接的に克服して、復興を支えてきました。今後も訪れるであろう様々な困難に果敢に対処し、建設業が魅力にあふれ若者から選ばれる産業となるよう引き続き取り組んでまいりましょう。

本年も、静岡県建設業協会は県下10地区協会並びに会員企業の皆様と一体となり、地域の安全・安心の確保と生活の利便性・快適性の向上に全力で取り組む所存ですので、ご理解とご協力のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

結びに皆様方の益々のご多幸とご健勝を祈念いたしまして、私の年頭の挨拶とさせていただきます。

令和6年1月

▲TOP

INDEX | 年頭所感 | ズームアップインタビュー | わが街ウォッチング | 出会いのひろば | ちょっと紹介 | 奥付