静岡市清水区にある「静岡市清水庵原球場 ちゅ~るスタジアム清水」(静岡市清水区庵原町3000)を本拠地に、日本野球機構(NPB)のウエスタン・リーグに2024年から参加している「くふうハヤテベンチャーズ静岡」。球団社長の池田省吾氏に、「くふうハヤテベンチャーズ静岡」が目指す姿、魅力、2年目の抱負などを聞きました。
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右から清水建設業協会総務委員会の清水和明委員長、池田社長、清水建設業協会の内藤樹事務局長、総務委員会の南宏達委員 |
――「くふうハヤテベンチャーズ静岡」のホームページ(https://hayateventures.jp/)には、「挑戦」の文字があります。「挑戦」する「くふうハヤテベンチャーズ静岡」とは、どのような球団なのでしょうか。
池田 球団キーコンセプトは「挑戦」“全員が夢や目標に挑戦し、二つと無いそれぞれの人生を生きる”です。
「挑戦」とともに、三つのコンセプト「夢」「育成」「推し」があります。
「夢」いつの日か、侍ジャパンへ選手を輩出し、日の丸を背負う球団の一つとなる
「育成」夢を追いかける若者とそれを導く指導者が挑戦し、学び、育つ場となる
「推し」ファンの皆様に、選手と球団の挑戦を後押しする喜びを感じて頂く
つまり、「育成して、再生して、勝つ」球団ということです。ドラフトに漏れたか、一度はドラフトにかかるも、さまざまな理由で戦力を外れた選手たち。しかし、もう一度野球を本気でやりたいと志高い挑戦者が集まって出来た球団です。
あらためてひたむきに野球と向きあい、全員が更なる高みを目指します。
毎回が真剣勝負であり、自身の進退をかけた一球であり、一振りです。
――「推し」というのは、庵原球場で見ていたあの選手が1軍で活躍している…、侍ジャパンで活躍している…。そのように、選手の成長を楽しみにする、“推し活”そのものということでしょうか。
池田 1軍のためのチームでもあり、選手たちは切磋琢磨し、上達しようと必死です。目的意識の違いが如実に表れてきます。
どのような試合であれ、試合に勝つこと。そして自身の成長や復調をアピールして、セまたはパ・リーグを目指すことです。だから、昨シーズンも後半戦は戦いかたが変わった。そこは観戦していての醍醐味になると思います。
2024年10月のチーム設立後初めて迎えたNPBドラフト会議では、早川太貴選手が阪神タイガースから育成3巡目での指名を受けました。また、西濱勇星選手が東京ヤクルトスワローズへ移籍しました。
移籍やドラフトで選ばれ、セ・パリーグへと球団は選手を送り出す。それは、他の選手への大きな刺激になります。選手たちに現実味を与えることになる。今後も、少なくとも移籍、ドラフトと、1人ずつ輩出していくことは死守したい。
――清水から将来、世界で活躍する選手を輩出する、ということ。そうなると、選手獲得のトライアウトにも好影響が派生してきますね。
池田 ドラフト指名されなかった選手の発掘、いわゆる戦力外という形で既存球団を退団した選手の獲得、外国籍選手を連れてくる―ことで選手を獲得します。
トライアウトには、地元の学校や地元出身の方たちも参加してくれます。これは、地域でやっている意味につながり、中には職員でもいいからという方もいます。
まだ知名度は高くない球団だと思っていますが、球場に来てくれる方も増やしていきたい。
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――課題でもある集客面での仕掛けはお考えですか。
池田 ファン感謝デーや子供向け野球教室を実施したり、地域イベントではサプライズでユニフォームをプレゼントしたり…。今お願いをしているのですが、試合日に清水駅周辺に球団旗を掲げさせてもらえたらと。
そして、ちゅ~るスタジアムも、24年シーズンは照度が足りなかったのですが、改修も終わり、7月からはナイターも実施できることになりました。
25年度の新入団選手は19人。静岡大学リーグから第1号となった足立真彦投手、静岡県立静岡高校出身の鈴木将平外野手、藤枝明誠出身の大石航外野手、静岡県立浜松工業高校出身の塩﨑栄多外野手など静岡県出身者をはじめ、PB経験者からは前巨人の育成・笠島尚樹投手、前ソフトバンクの佐藤宏樹投手などです。
読売巨人軍から井上真二コーチも派遣され、静岡県出身の赤堀元之監督のもと、25年シーズンも全力で挑戦していきます。