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浜松市や県西部地域をホームとするバレーボールクラブブレス浜松。ブレス(Breath)には「呼吸、風のそよぎ、生命力、注ぐ」などの意味が込められている。
2024-25 V. LEAGUE WOMEN のレギュラーシーズンを終了し、新シーズンの開幕を控える中、クラブの成り立ちや今後の目標、意気込みなどをブレス浜松の野田滋丈代表、ブレス浜松の濱田義弘監督、キャプテンの坂口莉乃選手に聞いた。
聞き手
静岡県建設業協会 総務・広報委員会
副委員長 市川 聡康(市川土木 静岡建設業協会)
委員 京極恒弘(小笠原マル曻 浜松建設業協会)
浜松建設業協会 総務・情報委員会 須山雄造、鳥井信行副委員長
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野田代表 |
クラブの成り立ちと活動などについてお聞かせください。
もともと浜松にバレーボールの球団があったわけではなくて、下田市で選手数人がチームを組んだのが始まりです。その後浜松に移り、大会などにも参加してある程度結果を残すようになり、実業団の試合で優勝した時に、みんなに応援してもらいたいと地域の企業にサポートしてもらいはじめたのが始まりです。
チームが強くなるためには、やっぱりある程度の練習時間も欲しいですし、トレーニングや食事も必要だし、スタッフ陣も欲しいなど少しずつ選手の環境が良くなるように、クラブ・チームを作り続けてきました。静岡県西部地域ではバレー選手の県外流出がずっと課題としてあり、地元で活躍できる場所がないと流出が止まらない。止めるためにはトップチームが活躍して、その下のジュニアチームがトップチームを目指して頑張れるといった環境が必要です。もちろん大学や高校で県外に挑戦することも必要かもしれませんが、最終的にまた戻ってこられる環境を作っていくことで、西部地域だけでなく静岡県全域がもっともっと盛り上がっていくといいなとジュニアの育成にも力を入れています。
全国の事例を見ても人口減少という課題に関しても解決にスポーツがすごく大きな要素になってきていて、スポーツの力も使いながらこの地域がより活性化されていけばいいなと考えています。
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濱田監督 |
練習環境などについてお聞かせください。
私が入って 3年ぐらいは選手も夕方5時まで各会社に出勤して、夜7時ぐらいから練習していました。それを代表が変えてくれて半日午前中だけの勤務になり、今は午後2時くらいから練習をスタートできています。そこからやっぱり徐々に勝てるようになりましたし、時間にある程度余裕が持てますのでそれまで睡眠不足や怪我が多かった状況が改善されてきたと思います。
やっぱり仕事で疲れていると、どれだけトレーニングしても成果が上がらないんですよね。環境はもちろんそうですが、時間も確保してしっかりとした練習をしながらトレーニングを積んでいく。今季も納得のいく試合運びができ、結果がやっとついてくるようになったと思います。
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坂口選手 |
今、練習環境について監督からお聞きしましたが、選手としてはどのように感じていますか。
本当に地域の皆さんに支えられていると感じています。さっき監督もおっしゃったのですが、午前中は勤務して、昼からはバレーボールに打ち込めるっていう環境があることをとてもありがたいと思っています。欲を言えば一日ずっとバレーボールをしたいなっていう気持ちはありますが・・・。
選手は一週間どんなスケジュールで過ごしてらっしゃるのでしょうか?
月曜から金曜までは午前中仕事をして、その後練習をします。土曜日は午前中練習で週6日練習しています。試合で移動がある時は、金曜前日練習をして、土・日曜日に試合です。それぞれ選手は別々に住んでいるので、プライベートはゆっくり過ごしている選手が多いと思います。
キャプテンとして試合のプレッシャーもあると思いますが・・・。
キャプテンに就任して1ヶ月ぐらいしか経ってないのでまだそんなに苦労はないですけど、リーグ戦などシーズンが始まるとやっぱりチームにも波があり、気分的に下がってしまう時もあると思うのですが、今シーズンはチーム力で戦おうということを発信しているので、コミュニケーションを大事にして、チーム力を高めて戦っていきたいなと思います。
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静岡建協 総務・広報委員会 市川副委員長 | 浜松建協 総務・広報委員会 鳥居副委員長 |
試合は全国で行われていると思うので移動も大変ですね。リーグ戦が終了したらオフ期間もあると思うのですが
北は北海道から南は熊本までで試合が開催されていますので、移動は時間も費用も大変です。オフは、リーグ戦が終わった3月末から7月のはじめぐらいです。リーグ戦が終わってから春の期間がオフシーズンで、それぞれの選手とその期間で契約をしています。シーズンが終わって、体と心をリフレッシュする時間も欲しいし、選手ももう一度リーグ戦に向けて気持ち入れるのにやっぱり時間が必要かなと思っています。最終的には、静岡を代表するクラブになっていく必要があると思っているので、オフシーズンも含めできるだけ長い間現役生活を続けられるような環境を作っていきたいですね。もちろん本拠地は浜松ですけれども、市民球団で日本一取りたい。地域の皆さんに応援してもらって、皆で作り上げていくチームをコンセプトに、皆さんの知恵やアイデアを集約しながらみんなで優勝を喜び合えるようになっていったらいいなと思っています。
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静岡建協 総務・広報委員会 京極委員 | 浜松建協 総務・広報委員会 須山副委員長 |
浜松に本拠地を置いて活動していますが、静岡県内や浜松市出身の選手はどのくらいいるのでしょうか?選手の獲得はどのようにされていますか。
今、県内出身の選手が1人です。それ以外は全国いろんなところから来てくれています。大学から新卒で入ってくる選手もいますし、あとは同じVリーグのカテゴリからの移籍もあり、1年に4~5人ぐらい新加入の選手がいます。チームとすると16~18人の選手は必要です。もう少し県内の選手がいてほしいと思っていますが、このレベルで戦える選手は本当に限られています。先ほどもお話しましたが、県内選手の育成ができるような環境を整えていかなければなりません。高校・大学で活躍できなかった選手で、もっと活躍したいと考える選手は県外に行ってしまうといった構図が、静岡県にとってかなりデメリットだと思います。やはり活躍できるところを求めていってしまうので、その辺りは今後の課題だと思っています。
新聞で拝見したことがありますが、浜松杯争奪戦というような市民チームの大会なども開催されていますが、選手が子どもたちを指導しに行く機会などはあるのでしょうか。
地元の少年団とか小学校などについては、それぞれの学校の先生たちと交流を深める活動をしており、去年も学校を訪問したりしています。今年はさらに学校訪問を増やしていきたいと考えています。子どもたちにバレーボールを長く続けてもらい、レベルアップに協力できるような活動をしていければ、この地域のバレーボールがより一層強くなっていくのではないかと思っています。これからも、SNSやホームページ、新聞記事だけでなく、ダイレクトに子供たちにアプローチしていきたいです。やっぱり地元の小中学生の女の子たちなので、そこへのアプローチはすごく大事に考えています。
今日はインタビューで浜松アリーナに伺っていますが、メインの練習会場というのは浜松アリーナなのでしょうか。
今年はそうですね。去年までは浜北のアリーナと併用していたのですが、今年は改修工事に入っているので基本的には浜松アリーナを中心に練習をしています。来年度以降に浜松アリーナの改修工事も予定されています。大規模改修では、市民が使える体育館という観点や市民が思い切ってスポーツを応援できる、音楽のコンサートも近くで見ることができるといった施設になっていくといいなと思っています。皆さんの知恵を結集していただいて、よりよいアリーナにしていって欲しいです。
次のシーズンに向けて具体的な目標をお聞かせください。
昨年は優勝を逃して悔しかったですけど、年を追うごとにいいチームになってきていると言いますか、強いチームを作れていると思います。昨年在籍していたエース2名が移籍してしまい戦力ダウンが見込まれますが、今年はさらに速いバレーを目指して一段とスピードアップしたバレーをお届けしていきます。それを踏まえながら、一部リーグのSVリーグを目指していけたらと思っていますので、また皆さんに試合を見に来ていただければ嬉しいです。
本当に貴重な時間をいただきました。楽しんで結果を残すという試合をやっていただいて、私たちもアリーナに足を運びながら、試合結果を楽しみにしていきたいと思います。本当に本日はありがとうございました。
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レギュラーシーズン優勝 | 盛り上がる応援席 |
ブレス浜松女子バレーボールクラブオフィシャルサイト
https://www.breath-hamamatsu.com/









