「静岡市消防団の現状と40年の消防団活動で学んだもの」
松永建設株式会社 代表取締役 松永清治

消防団に入団したきっかけと入団当時の想い出

第12代静岡市消防団長

 町内の先輩に、そろそろ消防団に入らないかと誘いを受けたのは入社4年目の頃でした。同級生も8名程いて、あまり深く考えずに入団しましたが、火災出動、行方不明者の捜索等の活動をしながら、先輩の指導の下、基本訓練を厳しく教えてもらいました。毎年夏の査閲大会の為の早朝訓練は、眠い目をこすりながら出かけたものです。
 そんな私が消防団活動に熱を入れるきっかけとなったのが、夏の大会でした。訓練礼式の指揮者となり、号令をかけながら、分団員31名の隊を整列、各個訓練、行進と動かしました。整列がピッタリ決まった時など大変気持ちが良いものです。見事39個分団(旧静岡市)中、優勝を勝ち取ることが出来ました。

消防団とは?

 消防団は、「自らのまちは自らで守る」という郷土愛護・公共奉仕の精神に基づき、普段は生業に従事しながら、いざ火災が発生した際には、現場に駆けつけ消火活動など災害防ぎょ活動を行い、地震、風水害等の大規模災害時には、救出・救助活動をはじめ避難誘導や行方不明者の捜索等にあたる、地域防災のリーダーとして地域住民の安心と安全を守る非常備の消防組織です。

静岡市消防団の組織

 静岡市消防団は、消防団本部、静岡・清水の2地区本部、15個方面隊(64個分団)、団員数約2,160名で構成されています。
 各地区本部のもと、それぞれの管轄区域において「分団」が災害対応にあたっており、分団相互の連絡調整や命令系統の統一のために近隣の分団で「方面隊」を編成しています。これらによって市街地や山間地域を問わず静岡市内全域を網の目のようにカバーし、広域的な大規模災害にも対応できる組織として万全を期しています。
 また、地区本部で音楽部、はしご部が組織され、団員の士気を高めるラッパの吹奏や伝統的な梯子乗り・纏振りの演技を受け継いでいます。

出初式の様子

カラーガード隊
ShizuokaRedVigorUnited(シズオカレッドヴィガーユナイテッド)

カラーガード隊

 カラーガード隊員は、静岡市消防団員のうちから消防団長が指名する団員(定員15名)で構成されます。チーム名には隊員のアイディアが反映されています。消防のカラーである赤色を示す「Red」、活気や元気を意味する「Vigor」、団結力や協力を表す「United」を合わせ、カラーガード隊の一糸乱れぬ溌剌とした演技と、消防団の団結力や常備消防・地域住民との融和・協力を表しています。また、頭文字のR、V、Uを取って「ShizuokaR.V.U」(シズオカラビュー)と略称することによって、より親しみを持ってもらえるよう働きかけていきます。
 様々な行事に参加してフラッグを用いたパフォーマンスを披露し、静岡市消防団の広報活動を行います。(静岡市消防局消防音楽隊と連携した演技披露、各種イベント出演、消防分野のPR等)

消防団の現状と将来

 静岡県下に35の消防団がありますが、各団とも団員の減少、高齢化に悩んでおり、現在2.1万人の定員の所、実員は1.7万人を割り込んでいます。目下、女性団員、学生団員、機能別団員等の募集を強化、待遇の改善を行い団員確保を図っています。最近は、大規模災害への対応の重要性が強く認識されており、今後、消防団活動への住民の期待は増々高くなると思います。地域の実情に即した消防団に変わりながら、皆さんの期待に応えて行きたいと思いますので、ご協力をお願いします。

消防団応援条例

 消防団員の確保と活動の充実を図るため、消防団員を雇用する事業所の事業税を軽減する「消防団応援条例」が有ります。一定の要件を満たす必要は有りますが、社員の採用の際には考慮して頂きたいです。(事業税の1/2を控除(100万円限度))

40年の経験を積んで第12代静岡市消防団長に就任

静岡県消防大会

 指導指揮する立場となり、分団員のみんなと一緒に同じ思いで活動することにやりがいを感じ、自分の成長にもなると思うようになりました。方面隊長の頃、竜爪山で捜索事案が有りました。高齢の方が一人で登山に行き、行方不明となり、翌日から捜索に入り、二日目になっても見つからず、捜索最終日の三日目は方面隊から100名余、消防署員、ボランティアの捜索犬等の応援を得て、二日目までに捜索に入っていなかった箇所を尾根から横並びになって一斉に山を下って無事に発見することが出来ました。捜索は人員が必要、消防団は地元で必要な存在と痛感いたしました。
 その様な多くの経験を積ませて頂き、令和6年4月に静岡市消防団長に就任しました。団長だからと言って大きなことはできませんが、団員の訓練等の負担を軽減し長く続けられるようにしていきたいと思っています。ただ、自分自身を守る為の訓練は徹底したいと思います。私自身、よき先輩に恵まれてこれまで続けてくることが出来ました。団員の皆さんには、それぞれの家庭を大事にして欲しい、そして、地域を守っていってほしいと思っています。