浜松まちなかにぎわい協議会の取り組みについて

 多くの地方都市では、駅前の中心市街地の活性化が課題になっている。ライフスタイルの変化などにより、郊外型ショッピングセンターやECなどが台頭、駅前の元気がなくなりつつある。浜松駅周辺では、まちなかの活性化に向けて民間主体の組織横断的な連携を図り、地域のエリア価値の向上と発展に寄与することを目的に浜松まちなかにぎわい協議会が2010年4月に発足。現在は56会員が参画し、「自分たちのまちは自分たちの手で」をスローガンに取り組んでいる。浜松まちなかにぎわい協議会の事務局を訪れ、活動内容や今後の展開などを聞いてみた。

<浜松まちなかにぎわい協議会>
・稲本幸恵事務局長
・角替洋介副事務局長
<浜松建設業協会 総務・情報委員会>
・須山雄造静岡県建設業協会 総務・広報委員会委員兼
浜松建設業協会 総務・情報委員会委員長(須山建設)
・京極恒弘浜松建設業協会 総務・情報委員会副委員長(小笠原マル曻)
・中村彰浩浜松建設業協会 総務・情報委員会副委員長(中村土建)

協会  協議会について教えてください。

研究会  浜松の主要企業・団体が参加し、中心市街地、まちなかのエリア価値向上を目的に設立し、今年で16年目になる。大きな特徴は、『浜松まちなかマネジメント株式会社』という事業会社を併せ持っている点です。協議会で方針を取り決め、それを事業会社が実行に移すという両輪で動いています。持続可能なまちづくりには財源が不可欠ですので、事業会社でしっかりと財源を確保し、それをまちづくりに再投資するサイクルを構築しています。

協会  具体的にどのような事業を行っていますか。

研究会  「まちなか財源創出事業」「まちなかにぎわい支援事業」「まちなか創造事業」を柱としています。すべての事業において、まちづくりに寄与することを目的に展開しているのが特徴です。具体的にはエリアマネジメント広告や浜松市中心市街地の駐車場で利用できる共通駐車券(Pクーポン)の販売、浜松市ギャラリーモール「ソラモ」の指定管理、まちのコミュニティスペース「Any」の運営などで財源を創出し、まちなか創造事業であるまちづくり活動に投下する流れです。

協会  代表的なまちづくり活動をご紹介いただけますか。

まちなかワクワクアカデミー

研究会  私たちは「人づくり・場づくり・活動づくり」を軸として、新たなコトを起こし、人や地域を繋ぐ多様な事業を行っています。例えば、若者の感性を活かした新たなまちづくりの試みとして、昨年から「若者が考えるまちプロジェクト」をスタートしました。中心市街地に通学する大学生や専門学生たちが自らの視点で「まちの課題」や「やってみたいこと」を見つけ、企業や団体、地域の方々との連携も図りながら、仲間とアイデアを形にしていく実践型のプロジェクトです。また、小学生向けには多様な仕事や学びに触れる『まちなかワクワクアカデミー』を開催し、早期からのまちへの愛着やシビックプライドの醸成に繋げています。その他、多様な表現活動をまちなかの日常風景にしていく『THE FLAG PROJECT』にも取り組んでいます。都市空間を舞台にした実験的な活用を通して、『新たなまちなか文化の創出』を目指しています。また、まちなかの魅力をリアルタイムに届けるSNS発信にも力を入れており、新店などの最新情報をどこよりもスピーディーにキャッチして発信することで、日常的な賑わいづくりを後押ししています。ソラモの指定管理者としても同施設最大規模を誇る浜松クラフトビールフェスの企画運営を担っており、昨年は3万人を動員しました。

協会  財源創出について詳しく聞きたい。

まちなかワクワクアカデミー

研究会  財源がなければ、組織は先細りし、できる事業も少なくなる。全国にまちづくり会社は数多くありますが、私たちの最大の強みは「自ら稼ぐ強固な財源確保事業」を持っていることです。補助金頼みではなく自ら財源を生み出すことで、民間主体ならではの自由度とスピード感を持った事業展開が可能になります。財源確保事業のひとつであるエリアマネジメント広告は、まちなかの公共空間や行政財産を有効活用する取り組みです。当初は全国的にも先進的な取り組みでした。こうして得た収益を、再びまちの魅力向上のために投下し、循環させていくことが私たちの重要な役割です。

協会  都市再生推進法人の認定を目指していると聞いています。認定された場合のメリットは。

研究会  行政と対等なまちづくりパートナーという位置づけとなり、公共空間での実証実験や利活用がよりスムーズに行えるようになります。推進法人という肩書きのもと、より主体的にエリアマネジメントを推進できるとともに、安定的な財源確保全般にも大きく寄与すると期待しています。

協会  今後の展開として、どのようなことを考えていますか。

研究会  近年、駅南エリアでの企業や大学の進出など新たな動きも見られ、官民一体となったまちづくりの機運が非常に高まっています。「建物を建てて終わり」ではなく、空間を創る側とそこで活動する人々が二人三脚でエリアの価値を上げ続けていくことこそがエリアマネジメントの本質です。この好機を捉え、まちなかの賑わい創出と魅力向上にさらに注力していきたいと考えています。

協会  民間主体でまちづくりを進めていることに感心しました。地元の企業として協力できることはありませんか。

研究会  協議会の会員だけでなく、中心市街地の活性化に興味がある企業に対して、いつでも門戸を開いています。今後は事業ごとに出資者を募る座組や小口スポンサーなども考えていきたい。財源創出事業以外の財源が増えれば、まちづくりへの再投資をさらに拡充できます。実施する事業についても、より幅広く外部からアイデアを募り、クオリティの高い活動を展開していきたいですね。中心市街地の活性化は、ひいては浜松市全体の発展につながるものです。皆様のお力添えをいただければ幸いです。

協会  まちづくりを考える良い機会になりました。中心市街地が活性化し、魅力あるまちになれば、浜松で働きたいという若者も増えると思います。本日はありがとうございました。